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 春とともに到来する定期健康診断の季節。この時期、運動不足というだけで「メタボリック(内臓脂肪)症候群」というレッテルを張られ、気が滅入ってしまう会社員も少なくない。

 そんなビジネスパーソンを狙ったスポーツクラブの新プランが、密かな人気を集めている。

多忙な20~30代がターゲット

 「ライトプラン」「90分プラン」などと呼ばれ、料金が割安な代わりに、1回の利用時間を90分程度と限定している。昨年から大手のスポーツクラブが相次いで投入を始めた。

 「エグザス」ブランドでスポーツクラブを展開する大手のコナミスポーツ&ライフは、昨年秋から「エグザスLite」を開始。東京・大阪など都市部を中心に展開する東急スポーツオアシスは、昨年11月から「トライ90分会員」を東京・新宿と青山の2店舗で提供している。料金は通常のプランに比べて 3割から5割程度安い。多忙な20~30代の会社員の利用を想定している。

 人気は上々だ。例えば、東急スポーツオアシスでは、トライ90分会員の投入によって、新宿、青山店の会員獲得数が、昨年11月から今年1月の3カ月間に対前年で約1.5倍以上に増えた。「顧客の反応の良さには正直驚いている。忙しくてスケジュールの読めない若い世代に、うまくフィットしたのではないか」と、東急スポーツオアシスの片岡康幸・業務推進部マネージャーは言う。同社では今後、埼玉県などでトライ90分会員の対応店舗を拡大していく計画だ。

 景気停滞で、消費者の財布が締まる中にあって、スポーツクラブ各社も新規会員の獲得には苦心している。このため、各社の担当者は、入会の敷居を下げ、集客力アップを図る切り札として90分プランに期待する。

多忙な中でも体調管理に気を使うビジネスパーソンは増加中だ(写真は東急スポーツオアシスの施設)

 もちろん、平日、週末、夜間、早朝など、時間帯を細かく分けたプランは以前から提供されていた。だが、実際には入会しても、仕事の状況によって、定期的に通えなかったりする場合が少なくない。初めは張り切って入会しても、徐々に足を運ぶのが億劫になり、気がつけば幽霊会員というのが、典型的な退会のパターンだった。

 一方、90分プランなら、通常の会員料金の半額程度で、気軽に利用できる。いわゆる体験会員とは異なり、マシンジムやシャワーなどの施設もすべて利用可能だ。このプランでスポーツクラブの面白さを知り、そのまま、本会員につながったケースも少しずつ増えているという。

デフレの徒花に終わる可能性も

 ただ、スポーツクラブ各社にとって90分プラン人気は、よい面ばかりでもない。あまり人気が出すぎると、既存の会員が新プランへと流出し、顧客単価の低下につながりかねない。そうなれば、単にスポーツクラブの体力をすり減らすだけで、デフレの一現象に終わってしまう。

 このため、東急スポーツオアシスは、トライ90分会員を今のところ最大4カ月までの期間限定で提供している。現状では「店舗ごとに、試験的に導入するなどして、既存プランとの併存を目指す」(東急スポーツの片岡氏)と考えるクラブが多い。厳しい経済環境の中で試行錯誤が続くのは、スポーツクラブも同じのようだ。