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あなたにとって働くとは

 採用担当をしていた頃、面接で自己PRや学生時代など、自分の過去のエピソードを熱く語っている学生に、「あなたにとって働くとは何だと思いますか」という質問をすると、学生は不思議なくらい動揺しました。先ほどまでの雄弁はどこにいってしまったのかと思うほど、頭の中が真っ白になり回答に窮してしまいます。

 「働かざるもの、食うべからず。祖母が教えてくれました」と堂々と答え、面接官を感心させるような答えをする学生がいる一方で、面接から戻って「自分は、アルバイト週5で4時間バイトしているので、仕事はわかっているつもりです」という理論を盾に、「何で『働くとは』なんて聞かれるのですか」と半ば逆ギレする学生もいます。本人曰く、「馬鹿にされているような印象で、一生懸命答えても面接官は怪訝な顔をしているので、何と言えば正解なのかわからない」と言います。

学生のアルバイトと社会人の仕事の、立場の違い

 就職塾向日葵は、学生のアルバイトと、社会人の仕事の違いを、マズローの5段階欲求説に例えて学生に教えます。

●生理的欲求 :生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求のこと
●安全の欲求 :衣類・住居など、安定・安全な状態を得ようとする欲求のこと
●社会的欲求 :集団に属したい、誰かに愛されたいといった欲求のこと
●尊厳の欲求 :自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求のこと
●自己実現の欲求 :自分の能力・可能性を発揮し、創作的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求のこと

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 これが、人間が持つ5段階の欲求で、下位の欲求が満たされて初めて上位の欲求に向かうといわれています。マズローの5段階欲求と、仕事に対する職業観を重ねてみます。

●生理的欲求 :生命維持のために、とにかく食っていくために、仕事をする
●安全の欲求 :安全な住居などのために、毎月給料が入る安定した仕事がしたい
●社会的欲求 :集団に属し、先輩や友人と同じ仕事がしたい
●尊厳の欲求 :人から尊敬される会社、部署、役職で価値ある仕事がしたい
●自己実現の欲求 :自分の可能性を活かし、自分がやりたい仕事をしたい

 ということになります。

 学生時代は、① 生理的欲求、② 安全欲求という部分は保護者が作ってくれていましたから、自分は、④ から上、集団に属する、集団の中での価値、可能性を発揮、という部分のみを考えていればよかったわけです。しかし、就職して働く、ということは、① から ⑤ まで自分で叶えるのです。ここに大きな違いがあります。