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 「あの・・図書館司書が厳しいとなると、他にどんな職業がありますか。」

 Sさんもうすうす感じていたことではあったものの、想像以上の市場の厳しさに驚いた様子です。ようやく視野が広がってきました。

本が好きな人の職業

 本が好きな人の職業として大きく、創作、制作、流通、販売、案内、に分けられます。

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 作家・漫画家・イラストレーター・書評家などは、法人に所属せず、個人事業主として創作します。出版社・新聞社は創作の提案や編集をし、流通に乗せます。出版された本を、本屋や図書館に届けるのが流通です。取次(とりつぎ)や即売(そくばい)と呼ばれる流通は、全国の書籍や新聞の販売店に、大量の本や雑誌、新聞を配布します。それを売るのが本屋ですが、最近では、本だけでなく、音楽・ビデオ・文房具・ファンシーなども扱う複合量販店が増えてきました。図書館司書の仕事は、読者に本を選んで提供する案内役ということになります。

 「でも・・私、本は好きでも本屋の店員はイメージが違うかも知れません。ただ売るとか、届けるんじゃなくて、選んであげたいのかもしれません。出版社だと東京行かなくちゃですし・・・創作なんてそんな無理です」

 Sさん、もう一つ、本が好きな人の役割を忘れています。それは「読者」です。司書の資格が取れなくても、好きな本を仕事にしなくても、生活のための正社員の仕事をもっていても、本が嫌いになったわけじゃありません。好きな本を好きなだけ読むために働く人、それもこの業界にはとても大切な存在です。読者がいなければ成り立ちません。Sさんは、一生、本好きでいいのです。

 Sさんが気づいたようです。

 「でも好きな本以外で仕事を考えろっていわれても、どういう軸で会社を探していいか見当もつきません」

 大丈夫、今の話の中で、Sさんの企業選びの軸は見えてきました。東京に行きたくないということは、地元で働きたいということです。地元の企業で、本好きなSさんの能力が生かせる企業がちゃんとありますから、安心してください。

本が好きな人の代替の戦略

 あれから3年、この春、大学を卒業したSさんは、地元の信用金庫に入庫しました。基本業務から雑用まで覚えることが山ほどある大きな店舗に配属され、てんやわんやの毎日です。証券外務員試験の勉強から、定期預金、証券、保険のパンフレットも読んで理解して伝えることができますし、お客様から自分が知らない話題が出ると、本屋に行ったり図書館に行ったりして、知識を増やし会話力を高めています。本が好きなSさんの力は、ビジネスで必要な能力として、ちゃんと仕事で活かされています。

(コラムで提示している学生の事例は、就職塾向日葵が指導したものであり、処方は、個人の状況などによって異なり、すべての人に当てはまるとは限りません)