PR

どうしても入りたいっていう会社じゃなかったし

理工系大学の機械系に通うYさんは、大学4年生。小柄で、見るからにおとなしそうな雰囲気を持ち、理系にありがちな、人と目を合わせて話すのが苦手な男子学生でした。4年生の7月に初めて面談した段階で、航空会社を自由応募で1社受験してWEB試験に落ち、機械系の会社の学校推薦も2社落ちたところでした。

学校推薦の面接でどんなことを質問されたの?答えに困った質問は?どうして、そういう質問がされたのだと思う?と聞いても、

「いや・・別に・・よく覚えていなくて」

となんだか、のれんに腕押し。学校推薦で落ちたというのに、余裕くれているというか、のらりくらりとしているというのか。チキショー、次の面接では答えられるようにするぞ!というオーラが全くと言っていいほどありません。

「別に・・学校推薦でどうだって言われたから、受けただけで。

どうしても入りたいっていう会社じゃなかったし・・」

ということは、どうしても入りたい会社があったのでしょうか。ようやくYさんが迷い込んでいる迷宮につながる糸口が見えてきました。

本当はパイロットになりたかったんです

未来の話に口をつぐんでいるYさんに、過去の話を聞いていくことにしました。幼い頃の話や、中学・高校の部活動のこと、家族のこと、どうして今の大学を選んだのか、という話まで、掘り下げてきいていくと重い口を開いてポツリポツリと自分のことを語り始めました。

「僕は昔っからパイロットになりたかったんです。」

Yさんのキーワードがようやくでました。航空会社1社だけ受験しているという経過から推察するに、ここに、就職活動で動けなくなっている大きな原因がありそうです。

しかし、民間航空会社の自社養成パイロットのコースの採用試験は非常に厳しいものです。基礎学力、英語力、性格適性、心理検査、身体検査、など、命を預かる操縦士としてふさわしいかどうか厳格に選抜されます。1度不合格になると、もう受験できませんから、パイロットになるために就職浪人、というのはありえません。もうここまで来たら、Yさんの視野を、民間航空会社以外で、空に関われることに目を向けていかなければなりません。

おー、パイロット。空を飛びたいんだ。自衛隊でも海保でも、趣味で免許をとってもいいね。

[画像のクリックで拡大表示]

「いや、それじゃダメなんです。僕はジャンボがいいんです。ジャンボのパイロット。僕がやりたい仕事はそれしかないんです。」

Yさんも幼い頃からみんなに公言して、褒められ、励まされてきた夢ですから、間もなくジャンボが引退するということを知ってか知らずか、やや頑な印象で固執します。