向上-負の波は、大人が考えるよりも簡単にグラグラ揺れます。揺れている時に、同期の話や他人との比較を耳にすると、揺れ幅が助長されてしまいます。その結果、自分だけ恵まれていないのではという疑心から始まって、やりがいがないから辞めようかな、となってしまうのです。
もし、先が見えない、やりがいがないと焦っている新人がいたら、
太極拳は筋肉の緊張を切らすことなく、ゆっくりと、しかし、着実に動いている
池を優雅に泳いでいるように見えるアヒルも、水面下で必死に足を動かしている
と、教えてあげたいのです。
やりたいことがさせてもらえない
学生が思わずかきたくなる志望動機の項目の一つに
「御社ならやりたいことが出来る」
があります。毎年数千人の学生のエントリーシートを見て、入社した社員を見てきた経験がから言うと、これを口にする学生は、早期離職をする可能性のニオイがするのです。
やりたいことができる?
あまりに、自己中心的、と感じるのは私だけでしょうか。会社を自分の思うように一人で動かしていくつもりでしょうか。理系の研究職で大学の研究室でやっている研究テーマの延長線上にある企業を、研究職で受けているならまだしも。普通の文系で企画がやりたい、といわれると、「またか」と思ってしまうのです。今働いている社会人に
やりたいことができていますか?
と聞いてごらんなさい。100人聞いて1人いるかどうかです。おそらくその1人は管理職。その1人が新入社員であるはずがないのです。
新人のうちは、雑用が主です。入ったばかりの新人にやりたいようにやりたい仕事をさせる会社なんてありません。
それなのに、入社3年以内で退職する新人は、
やりたいことができない
やりたいことをさせてもらえなかった