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 新登場の「ラクティス」は「ファンカーゴ」の後継といわれている。ファンカーゴが従来型「ヴィッツ」のプラットフォームを使っていたように、ラクティスのプラットフォームは現行「ヴィッツ」のもので、ホイールベースを90mm延長することにより室内スペースを確保している。


図1◎トヨタ「ラクティス」。

 開発テーマは、「高速大容量スタイリング」だという。市街地だけでなく、高速道路でも大人4人が快適に移動できる、格好いいコンパクトカーを目指した。これまでのファンカーゴは可愛らしいデザインで、いかにもタウンユースのクルマという姿であったが、ラクティスのデザインにはスピード感がある。またファンカーゴより一回り大きなボディサイズとなって、立派に見えるようになった。具体的には、全長と全幅が大きくなり、全高はやや低くなった。とはいえ、室内のユーティリティを考慮した十分に背の高いクルマである。

 製品企画を担当したエグゼクティブチーフエンジニアによれば、初代ファンカーゴのようなスペースユーティリティに優れたコンパクトカーでも、運転することを嫌に思わせない、あるいはもっと積極的に運転が楽しいと思わせるクルマにしたかったという。

 走らせてみると、相当に硬めな乗り心地のサスペンション設定であり、ファミリーのためのコンパクトワゴンという先入観で乗ると、驚くほどその感触はスポーティだ。実際、全高が1640mmあるクルマにしては、スラロームをするようにステアリングを左右へ切り返しても、路面を這うように駆けるのである。

 かつてファンカーゴは、シートを床下に収納して座敷のような室内を生み出し、クルマの中に住宅のような、あるいは倉庫のような空間を作れるというのが特徴だった。半面、初代「ヴィッツ」のプラットフォームを活用しながらも、欧州を意識したと感じさせるヴィッツの走りに比べると、ゆるい足回りだったのは否めない。だが、ラクティスは、室内のシートアレンジを実用的な内容に抑える一方で、走りは欧州志向のヴィッツと同等に仕上げてきた。