技術経営戦略考
目次
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わが国の経済成長は「イノベーション&グローバリゼーション」が支える(その1)
菅政権の新成長戦略が定められ、補正予算も組まれ、いよいよ実現に向けて動き出した。しかしながら、私は、新成長戦略はまだまだ不十分だと考えている。とくに「経済政策の全体像が見えない」ことが大きい。デフレ脱却と名目成長率の目標3%を示したことは、今まで数多く作られた戦略(21世紀になってから6本)に比べれ…
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経済成長戦略は構造を作り変えるべき!
デマンドサイド/サプライサイドも内需/外需のすべて含んだ戦略を打ち出せ
私は現在、民主党「成長戦略経済対策プロジェクトチーム(PT)」のメンバーとして経済成長政策を担当している。この新成長戦略のキーポイントは、「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」を好循環させることである。そして、この概念の下に6月18日に閣議決定された新成長戦略には、大きく三つの視点から、七つの戦…
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【宇宙戦略(12)】宇宙庁を創り、宇宙産業の育成をもっと戦略的に進めるべき
宇宙基本法が成立して、すでに2年半が過ぎようとしている。本法の策定に関与した私の一番の思いは、宇宙政策を「研究開発から利用」にまで広げることにある。
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政治家はまずは屍になるべきか!
若手政治家と飲んでいるとよく明治維新の話になる。わが国を覆っている閉塞感が、明治維新という革命的な変化を望む声になるのであろうか。
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もうすぐで実現!「原料ナフサへの非課税措置」
現在、民主党内・政府内で来年度税制改正の議論が行われている。私は「税制が国の基盤」との考えから、税制改正の議論には民主党税制改革プロジェクトチームに参加し提言を行っている。特に関心が高いのが「企業関係税制」である。企業税制に関しては今まで何回か投稿させてもらっているが、政権与党になり自分の考えを直接…
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【ボストン紀行(4)】飛行機で出会った韓国の語学留学の子供たち
今回のボストン訪問は,行きも帰りもアメリカの航空会社を利用した。往復ともに空席はまったくなし。ただ、帰りのフライトが行きと違ったのは、周りに韓国人の小学生(2年生か3年生)が40人くらいいたということだ。
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【ボストン紀行(3)】米国コンサルと日本のイノベーションについて議論
イノベーションを題材に様々な研究をし、そして多くの書物を書いている米Harvard Business SchoolのClayton M. Christensen教授に「是非お会いしたい」と、何の面識もないのに連絡した。すると、「自分はボストンにいないので、自分が創設したイノベーションに関するコンサ…
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【ボストン紀行(2)】映画『マトリックス』の世界が実現?
前回に続いて、ボストンの研究施設を見て感じたことを報告する。米Massachusetts Institute of Technology(MIT)、そして米Harvard Universityを見学して一番びっくりしたのは、「脳と機械がつながり始めた」ことだ。科学はここまで進んでいる!「そんなこと…
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【ボストン紀行(1)】あと10年で半導体は中国が仕切る
2010年8月9日から13日までボストンを訪問した。長い間、国内でバタバタとしており、海外に行く機会がなかったので、旧交を温めるとともに、最先端の研究を見ることが目的だった。いくつかの研究室を訪問したので、そこで感じたことを、4回に分けてまとめてみたい。第1回目となる今回は、ボストン訪問の際に最も強…
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日本はアメリカと協力し、原子力平和利用で国際社会のイニシアティブを取るべき
日印原子力協定の交渉に寄せて
6月28~29日、東京にて日本とインドの両政府による原子力協定の第1回締結交渉が行われた。原子力協定は、核兵器の不拡散のために、原子力技術を有する国が原子力発電の技術や機材を他国に輸出する条件として、その技術や製品を核兵器開発に転用しないことを相手国と取り決める協定である。しかしながら、核不拡散条…
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【宇宙戦略(11)】民需だけでは宇宙ビジネス化は成り立たない
平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」には「宇宙ビジネスの育成」が書かれている。あまりマスコミには紹介されていないが、この新成長戦略は、菅総理が国家戦略担当相のときに作成を進めたものであり、菅総理の思い入れは深い。今後の宇宙政策の大きな指針になると思っている。
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菅総理の「第3の道」は日本を富国ならしめるか
菅直人総理は、6月11日の所信表明演説にて財政再建と経済成長、社会保障の充実に三位一体で取り組む「第3の道」を歩むとの決意を示した。第3の道とはいったいなんなのか、そしてこれは少子高齢化の中で財政赤字をひた走る、先進国中最悪の状況にあるわが国の病に対する処方箋となりうるのか。菅総理がどういう経緯で…
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【宇宙戦略(10)】小惑星探査機「はやぶさ」の成功に思う「わが国の宇宙政策のあり方」
2010年6月14日、小惑星探査機「はやぶさ(はやぶさの概要はこちら」が小惑星「イトカワ」から無事に帰還した。彼は「史上初めて月以外の天体に着陸して地球に帰還する」という偉業を果たしてくれた。またそれだけでなく、「最も長い期間(2592日間)宇宙を飛行する」という記録をも打ち立てた。この二つはギネ…
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3Dテレビ戦略に潜むワナ
最近になって3Dテレビが複数の電機メーカーから相次いで発売されています。私は電機メーカー勤務時代,まだフラット・パネル・ディスプレイ自体が実用化される前から,様々な方式の3Dディスプレイに関わってきました。しかし当時は事業化にはかなり距離があると感じていました。例えば95年に三洋電機が「2D/3D…
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【宇宙戦略(9)】宇宙政策のシンクタンクを整備すべき!
2010年5月25日、宇宙戦略本部が「宇宙分野における重点施策について(案)~ 我が国の成長をもたらす戦略的宇宙政策の推進~」を公表した。今後この方針に基づき宇宙政策が進められることになる。まだ(案)の段階にもかかわらず、新聞各紙が取り上げており、世間の宇宙に関する高まりを感じる。
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高速増殖炉「もんじゅ」について考える
「もんじゅ」とは、高速中性子型増殖炉である。私はこの「もんじゅ」には高い関心を持っていた。なぜならば、「もんじゅ」の高速増殖炉技術/核燃料サイクル技術が将来のわが国のエネルギー供給の鍵を握る技術であるし、他国と比較しても国がリードしている技術であるからである。したがって、1995年のナトリウム漏出火…
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【宇宙戦略(8)】前原大臣への宇宙庁提言を分解する
2010年4月20日、前原誠司宇宙開発相の私的懇談会「今後の宇宙政策の在り方に関する有識者会議」が宇宙庁の設立を含む提言書を出したという。宇宙庁といえば、筆者も本連載でたびたび指摘してきた事項だ。おおいに賛同できる提言もあるが、見逃せない部分もある。私見を付言しつつ報告書の詳細を見ていきたい。
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いよいよ始まる研究開発独法の天下り見直し
2010年4月15日付け日本経済新聞朝刊によると、政府の「研究開発を担う法人の機能強化検討チーム」が、研究開発を手がける独立行政法人(以下、研究開発独法)について、新たに創設する「国立研究開発機関」(仮称)に衣替えすることの中間報告をまとめたという。
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【宇宙戦略(7)】オバマ政権で日米宇宙協力は変わるのか
2010年2月1日、年頭教書にて米国オバマ大統領が新宇宙政策を発表した。オバマ政権になり、宇宙政策はどのように変化していくのだろうか。筆者が3月某日に最新の宇宙政策動向に精通した米国人教授と会談した情報も交え、俯瞰していきたい。
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CO2排出25%削減を実現するにはCCSが必要不可欠?
3月12日に地球温暖化対策基本法案が閣議決定(政府決定)された。昨年秋に鳩山首相が国連で宣言した「CO2の1990年レベル25%削減」を実現するための枠組みを決めるための法律である。この法案、2月末に初めて環境省以外の省庁や私を含む国会議員に公開され、なんと2週間程度で調整してしまうという今までに…