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業界の足並みを揃える

 将来に対する不確定性が高い環境下では、万人が容易に納得できる開発仕様などは存在しにくい。さらには、新たな商品を開発するためには事前に新しい技術を準備しておかなければならないというケースも少なからず出てくる。こうした状況で研究開発を進める際には多くの関係者間でのコンセンサスが必要になる。そのツールとしてロードマップが有効なのである。

 つまり、ある種のロードマップは、個別企業というよりも関連業界全体に対して意味を持つものなのである。特に、未知の領域を開発しつつ産業が進化している業界においては、これが重要な役割を果たす。関連する業界の足並みが揃っていないと実際には事業化ができないからである。ITRSを例に考えれば、IntelなどのLSIメーカーが将来のデザインルールを独自に考え製品化計画を立案しても、それを実現する材料や製造装置、評価装置などの関連する技術が揃っていないと計画は実現できない。だから、LSI業界はLSIの将来に関してどう考えているかを公開する。こうすることで、関連する材料に何を期待しているか、装置業界にはどうしてほしいかということを示し、そのことを関連業界全体で共有化しようとする。そのためのツールがITRSなのである。

 ITRSの存在によって関連業界は時間軸と達成目標が共有化できるようになる。これによってコンカレントな開発が進められるようになり、基礎となる技術も商品開発の目標を意識しながら研究、開発が進められるようになる。こうすることではじめて、関連業界全体が「開発終了したら、即事業開始」という理想的な姿に向かって態勢を整えることができるようになるのである。

ロードマップは戦略そのもの

 けれど、これはロードマップの、一つのあり方に過ぎない。その一方で、個別企業において効力を発揮するロードマップというものもあるのだ。それは、次の二つを備えたロードマップである。