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 2001年度から2006年度にかけて、海外の日本企業の内部留保額は23.5倍になり、内部留保残高は約17兆円にも達しました。一方、海外現地法人からの受取配当金の伸びは微増にとどまり、2004年度で1兆円にも足りません。

海外現地法人の内部留保額及び海外現地法人からの受取配当金の推移

海外で上げた利益が帰ってこない

 このような状況が起こるのは、「税制」の壁があるからです。今、わが国の海外での法人課税は、「全世界所得方式(外国税額控除制度)」と言われる方式によります。「日本の会社があげた所得であれば国内国外を問わず全て日本の法人税率で課税する」という考え方ですが、

(1)外国子会社の所得は、それが親会社に配当されない限り課税が発生しない(課税の繰延)

(2)企業が国外で納めた税金を日本国内での法人税額から控除する(外国税額控除制度)

 ということになっています。本国の法人税率の方が相手国の税率(法人税+配当への源泉税)よりも高い場合は、本国に配当還流すると税率の差だけが課税されます。 このような税制があり、しかも日本の法人税率は、海外の多くの国々に比べて高いのです。そうなれば当然、海外で上げた利益は日本に移転しないで、海外で留保しておこうということになるでしょう

国外所得免除制度を採用すべき

 私はこの制度を至急修正し、海外で得られた利益を日本国内で研究開発や設備に投資できるようにしなければならないと考えています。例えばそれは、「全世界所得方式(外国税額控除制度)」を「国外所得免除制度」に切り替えることによって可能になると考えます。