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十二代永樂和全作「青地ノ箔絵金襴手鉢」。見込みは染付で、他の部分は萌葱色の地に金箔で図柄を表している。

 永樂家では、信楽焼などの国焼きから、中国製のいわゆる唐物、朝鮮半島製の高麗もの、オランダ風のもの、さらには室町時代や桃山時代の古い様式からモダンなものまで、さまざまなやきものをモチーフとした作品を手がける。決まった種類のものを一定の量だけ作るというのではなく、ほとんどの場合は注文に応じてありとあらゆる種類のものを、必要な数だけ作るという多種少量生産だ。

 注文に際して具体的にモチーフや具体的な図柄が指定される場合もあるが、「いつどういう席で使うものだからそれに合うものを作ってほしい」といった漠然とした要望しかないときもある。後者の場合は器形から装飾の様式までほぼ「おまかせ」ということになる。注文されるのは茶道具で、懐石道具などの食器類を含む。多くの場合は茶道具商や美術商を通して発注がある。

十四代永樂妙全作「伊賀手鉢」。桃山時代の伊賀焼を手本にしながらも、そこに優美な永樂風を加味し再現している。

 使う材料は土の種類だけ見ても幅広く、しかも作るもの次第でそれらを混ぜ合わせて調整しなければならない。たとえば、伊賀風なものを作ろうとしても、京都の永樂家の窯で焼くのと三重県の伊賀で焼くのでは条件が違うし、求める風合いも違う。伊賀の土をそのまま持ってきても伊賀風の永樂焼はできないのである。だから、そのたびに合わせる土の配合を考えなければならない。

 「その度に、ウチの窯でできるウチ風なものを作るための土を、1カ所の土だけ使うというわけではなくて、数種類合わすんです。そやし、少量ずつ100種類くらいストックできれば一番ええのやけども、そんなことは無理やから。今は、京都にもともとあった赤土も採れなくなって、鉄分の多い土をと思うと全国から集めんならん。友だちから分けてもらったりね」