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 一つは、中国の土地バブルの終焉でしょう。ご存知のとおり上海株式市場は2007年10月にピーク(上海総合指数6092)となり、現在その1/3くらいとなっています。ただし、あまり公開された市場でないためか、経済混乱という状況にはなっていないようです(10月10日現在、1995.96ポイントで寄り付き、後に2000ポイントを回復)。

 しかしながら、土地は違います。中国の銀行も土地を担保に融資を行っており、土地の価格が下落すれば不良債権問題が生じます。ちなみに北京、上海など大都市では不動産相場も年頭から下落しつつあり、この6月時点で新興都市の深センではピークの3割安にまで下がっています。

 そしてもう一つは、「海外から中国に入った資金(ホットマニー:熱銭)の海外への逃避」です。つまり1997年の通貨危機のように資金が海外に一斉に流出して経済が崩壊する危険性です。

 中国には、ここ数年間だけをみても5000億ドル以上の外国資金が流入したと言われます。しかしながら、株価や不動産価格は下げ続けており、リスクを避けようとする外国人投資家が資金を引き上げる可能性があります。

 2008年4月時点で中国の外貨準備高は1兆7567億ドルもあり、これはG7の合計を上回る額となっています。しかし、現在進行する金融危機がさらに深刻化したときに中国が持ちこたえられるかどうかは不明です。先進国ほどの情報公開を行っていないだけに予測が難しいところですが。

 10月上旬にIMFのストロスカーン専務理事は、「中国は金融危機の影響を免れないが経済成長率は引き続き高水準を維持する」との見通しを発表しました。それを聞いても、私は中国経済の危機、それにつながる政治的な危機の不安を払拭できません。もし、中国の政治体制まで影響を受けるとすると、中国に進出した企業は多大な影響を受けることになるでしょう。

わが国がなすべきこと

 顕在化しつつある金融危機をにらみ、その先にある中国の崩壊という最悪の事態をも想定しつつ、わが国はなにをすべきでしょうか。

 まずは、欧米金融機関の安定化対策と連動するかたちで国内の金融機関の安定化を図ることでしょう。同時に、「企業に対する投資の継続」と「預金者や保険者の権利保護」を目的とした対策を早急に打たねばなりません。