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 その柱としては、以下のようなことが考えられます。

 1.金融機関対策(流動性不足対策)

 日銀による資金供給体制強化(ドルスワップによる1200億ドルの提供体制の強化)や外為特別会計の有効利用(為替介入のための政府資金、10兆円以上の預金あり)。

 2.企業対策(信用収縮対策)

 日本政策金融公庫の危機対応業務の活用(金融危機に際して特別融資を企業に行えるようにする)、中小企業に対する信用保証制度の拡充(すでに6兆円の信用枠ができたが拡大が必要)、金融検査マニュアルの徹底(中小企業への貸し出しに関してはよりリスクを取れるようになっているが、現場ではそのような運用が徹底していない)。

 3.預金者・保険契約者保護(金融システム安定化)

 保険契約者保護機構への公的支援措置延長(預金だけでなく保険も政府が保護)、金融機能強化法の復活(中小金融機関への資本注入を可能に、現在は期限切れで使えないため、藤末が前臨時国会でも復活を主張)、ペイオフ金額(預金保護額)を1000万円から拡大。

図:金融機能強化法と預金保険法(出典:民主党金融対策チーム)
図:金融機能強化法と預金保険法(出典:民主党金融対策チーム) (画像のクリックで拡大)
図:今までの金融政策(出典:民主党金融対策チーム)
図:今までの金融政策(出典:民主党金融対策チーム) (画像のクリックで拡大)
出典:民主党金融対策チーム

関係省庁をコントロールする「金融危機対策本部」を設置すべき!

 こうした対策の細目については、専門家によっていろいろ意見があるでしょう。ただ、その議論を悠長にしている時間はありません。重要なのは、緊急事態であることを認識し、対策を超党派で協力して迅速に進めることです。政治の問題だけではありません。官の側でも、日銀や財務省、金融庁、経済産業省がぎっちり連携できる体制を作ることが必要です。私は「金融危機対策本部」を作るべきだと主張しています。

 以前にこのコラムで指摘させていただいた金融機能強化法の復活は、超党派で動き出しそうな感じになってきました。この流れをどんどん拡大させていかなければなりません。

著者紹介

藤末 健三(ふじすえ けんぞう)
早稲田大学客員教授 中国清華大学顧問 参議院議員

1964年熊本県生まれ。86年東京工業大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に行政官として入省。95年マサチューセッツ工科大学経営学大学院に留学、96年には同大学院とハーバード大学行政政治学大学院で修士号を取得。99年東京工業大学で学術博士号(Ph.D)を取得し通商産業省を退く。同年東京大学大学院工学系研究科専任講師に就任、2000年から同総合研究機構助教授。04年民主党参議院選挙に比例区で当選する。早稲田大学客員教授、中国の清華大学顧問も努める。公式ブログはhttp://www.fujisue.net

本稿は、技術経営メールにも掲載しています。技術経営メールは、イノベーションのための技術経営戦略誌『日経ビズテック』プロジェクトの一環で配信されています。