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 ところが,現在,日本のエネルギー産業は,そのような投資マインドを持ちにくい状況にある。しかも,政府もそのような投資は実行不能である。

 となると,まさに,新市場を創出することによって,民間活力を刺激すること以外に方法論は無いのである。確実に儲かる新市場をどうやって作るか。何かをやり始めてしまうこと以外に方法は無いように思える。

 例えば,現在ドイツなどで行われている自然エネルギー起源の電力を高価に買い取るフィード・イン・タリフ制度を5年後に導入することを政治的に決める。そして,その際に「電力の買い入れ価格を電力の安定度によって決める」ようにする。なんらかの安定化技術を加味すると,高い価格での売電が可能になるようにする。この買い入れ価格の上限をかなり高く設定することによって,企業が挑戦するに値する魅力的な市場を作るという方法が良さそうに思える。

 プラグイン・ハイブリッド車に象徴される未来型自動車に関しても,政府に出資力があまり無い我が国では,似たような方策しかないのではないだろうか。燃費の悪い車にはこれまでよりも若干多額の税金を課し,同じクラスで最も燃費の良い上位数車種に限って,その余剰の税収を用いて税金をゼロにする。それだけでなく,一時金を払い戻す。すなわち,自動車メーカーにとっては,常に燃費ランキングの上位数車種に入る車を作らないと価格が割高になって,売り上げが格段に落ちるという仕組みを導入することではないだろうか。

 クラス分けの定義も,車重だけで行うのは間違いだろう。車の軽量化の努力が報われないので良くない。室内長×室内幅に,トランクの大きさなどを加味した有効面積を定義することが妥当なチョイスになるだろう。

日本の技術にやっと目標ができた

 日経エコロミーに,しばらく前に次のような趣旨の記事を書いた。

 省エネ(低炭素化)という久々に現れた本当の技術のターゲットに真剣に取り組めば,日本の優秀な技術者は世界的な成果を再び出しうるのではないか。過去何年かにわたって,日本の企業技術者がやらされてきたことは「なんでもよいから売れるものを作れ」だったように思える。これから脱却すべきである。