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貨幣(コイン)は政府が出している

 コインの発行は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(昭和62年6月1日法律第42号)」に規定されています。その第4条に「貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する」とあります。そして、「貨幣回収準備資金に関する法律(平成14年5月10日法律第42号)」第5条、第6条、第7条及び第12条並びに同法施行令第2条に基づき流通額の増加額の95%は政府につまり国庫に納付されるのです。

 ちなみに平成19年度は、50円コインは0.1億枚、100円コインは0.8億枚、500円コインは1億枚ほど流通が増加しています。10円コイン、5円コイン、1円コインの流通は減少していますが、全体で見れば流通額の増加はおおよそ450億円にもなり、このうちの95%の約430億円が政府(国庫)に入ったことになります。意外と大きいですね。

1000円コインのインパクト

 そして貨幣の種類は、貨幣法の第5条に「貨幣の種類は、五百円、百円、五十円、十円、五円及び一円の六種類とする」と決められています。今のままでは無理ですが、この5条を修正するだけで1000円コインを政府が発行することが可能になります。そして、もしそれが実現し、現行の千円札がすべて1000円コインになった場合、何と3兆6000億円分の1000円コインが作られることになり、その95%、つまり約3兆4000億円が政府に入ることになるのです。私はこれを勝手に「第2の埋蔵金」と名づけたいと思います。

動き出した1000円コイン

独立行政法人 造幣局が販売している都道府県別デザイン記念貨幣の収納ケース
独立行政法人 造幣局が販売している都道府県別デザイン記念貨幣の収納ケース (画像のクリックで拡大)

 政府はすでに動いています。貨幣法の第5条2項「国家的な記念事業として閣議の決定を経て発行する貨幣の種類は、前項に規定する貨幣の種類のほか、一万円、五千円及び千円の三種類とする」に基づき、なんと「地方自治法施行60周年記念1000円貨幣」を平成20年度から約8年間にわたって47都道府県ごとのデザインの記念貨幣を出しているのです

 さすが財務省です。すでに試運転をしているのでしょうか?

 奇抜なアイデアではありますが、皆さんが政策を考えていただく際の一つのヒントとして書かせていただきました。いや、意外に現実になったりして・・・。

著者紹介

藤末 健三(ふじすえ けんぞう)
早稲田大学客員教授 中国清華大学顧問 参議院議員

1964年熊本県生まれ。86年東京工業大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に行政官として入省。95年マサチューセッツ工科大学経営学大学院に留学、96年には同大学院とハーバード大学行政政治学大学院で修士号を取得。99年東京工業大学で学術博士号(Ph.D)を取得し通商産業省を退く。同年東京大学大学院工学系研究科専任講師に就任、2000年から同総合研究機構助教授。04年民主党参議院選挙に比例区で当選する。早稲田大学客員教授、中国の清華大学顧問も努める。公式ブログはhttp://www.fujisue.net

本稿は、技術経営メールにも掲載しています。技術経営メールは、イノベーションのための技術経営戦略誌『日経ビズテック』プロジェクトの一環で配信されています。