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 半導体製造装置業界は1990年以降,3度目の転換点を迎えようとしている。

 1度目の転換点は1996年1月だった。この時を境に,半導体の単価は下落傾向にある。1990年代前半までの半導体業界は,赤字を出すこともあったが,長期的には超過利潤を享受していた。この結果,撤退する企業もあったが,業界に関心を持って参入する企業の方が多かった。

 しかし,1996年を境に,多くの企業にとって半導体は長期的に見ても必要なリターンを生み出せない事業となり,業界からの撤退や事業の縮小などが相次いだ。一時期こぞって半導体に参入してきた鉄鋼メーカーは既に撤退している。フラッシュ・メモリーや液晶ドライバICで世界トップ・シェアを争っていたシャープやセイコーエプソンも,2001年以降,半導体事業への関心を低下させた。欧州,台湾,米国でも半導体メーカーの淘汰が進んでいる。

投資に積極的なSoCメーカーはIntelとTSMCだけに

 2度目の変化は,2004年に米Intel Corp.が4GHzのマイクロプロセサ「Pentium 4(コード名:Tejas)」の開発を断念したことだった。この意味は,SoCの性能向上が微細化限界の壁にぶつかり,SoCメーカーが開発投資と設備投資への意欲を喪失してしまったことである。微細化限界によるSoCの性能劣化は,1997年を過ぎたころから徐々に見え始めていた。

 LSIメーカー各社は当初,配線層の多層化,Cu配線,low-k絶縁膜といった新材料の導入でこの問題を乗り切ろうとした。しかし,2004年5月に,最後までSoCのクロック周波数向上に挑戦していたIntelがギブアップ宣言をした。

 今やほとんどのSoCメーカーが業績の低迷もあって,事業譲渡,設備投資の停滞,独自開発路線の放棄を実施または検討中である。設備投資に積極的なSoCメーカーはIntel,台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)のみとなっている。かつて世界の半導体設備投資の約6割,日本の総合電機メーカーのSoC分を入れると7割程度を担っていたSoCメーカーの設備投資は,半導体製造装置市場の主役ではなくなった。替わって,DRAMメーカーとフラッシュ・メモリー・メーカーが設備投資の担い手となった。

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