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 下表は一部ですが、国や社会のニーズにどう対応するかを明示しています。宇宙基本法を策定した理由のひとつに「ニーズをあまり考慮していない宇宙開発に宇宙の利用という概念を入れる」ことがありましたので、非常に喜ばしいことです。当然、科学研究の推進も大きなニーズのひとつになります。

出典:宇宙開発戦略本部資料
出典:宇宙開発戦略本部資料
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国内の衛星の利用状況
出典:日本航空宇宙工業会資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/senmon/dai4/siryou3.pdf

 今までの宇宙開発は「純粋研究」がその中心でした。これは日本航空宇宙工業会も指摘していることですが、「我が国の宇宙開発は研究それ自体を目的の中心に据えたため、このような実利用の現状への関心が払われてこなかった。むしろ、実利用との重複排除に関心が払われてしまった」ということがあります。

 例えば、わが国の商業衛星(通信や放送など)の20機のうち国産機は1機のみとなっています。将来はリモートセンシング、地球観測、位置情報サービスなど、衛星を利用したサービスが大きく成長することが期待できますが、わが国の対応は十分とはいえません。今後、この宇宙基本計画を起爆剤にきちんとニーズに対応したサービスの開発が進むことを期待したいと思います。

長期的な宇宙の開発利用計画を提案

 そしてもうひとつ今回の宇宙基本計画骨子を見て驚いたのは、「10年という長期の衛星打ち上げ計画」を作ろうとしていることです。今までは、各省庁がばらばらに衛星の開発・打ち上げ計画を策定しており、また、長期的な計画は全く作られていませんでした。しかしながら、今回、宇宙開発戦略本部が中心となり、10年という長期的な計画を策定しようとしていることには大きな意味があります。