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大きな課題は「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」の位置づけ

 宇宙基本法には「JAXAの位置づけの見直し」を明確に書いています。JAXAは「我が国全体の宇宙開発利用を牽引する中核的機関」と位置づけることが必要です。今回の宇宙開発戦略専門調査会では「JAXAは、宇宙基本計画など本部の決定に従い、利用府省や産業界などの我が国全体のニーズに基づき業務を行うことが必要である。」として以下のようなオプションが示されました。

 与野党の仲間たちで宇宙基本法を作成したときには、(案4)で合意していました。しかしながら、一緒に宇宙基本法を作った河村健夫衆議院議員が内閣官房長官になってしまい、宇宙基本法の細かいフォローアップをお願いできなくなってしまいました。

 どうも聴くところによると、文部科学省の方々が「JAXAは文部科学省の下に置くべき」との宣伝活動をされているようです。

 文部科学省の方々が自民党文教族と言われる政治家に説明した資料も入手していますが、あまりにも「省益」にこだわり、「国益」をないがしろにした内容だと私は思っています。

 例えば、「JAXAを文部科学省の下に置かないと予算を増やすことができない。他の予算枠を持っている文部科学省だから予算を増やすことができる」という趣旨のことを書いていますが、これは恫喝以外の何物でもありません。実際には逆で、文部科学省が宇宙予算をきちんと管理できないからこそJAXAを文部科学省から外すことを宇宙基本法で提案したのです。その点に関しては、文部科学省から宇宙開発戦略本部に出向している方からも事情を聞き、その場できちんと説明させていただきました。

 機会があれば文部科学省にお断りして、この内容に関してもコラムに掲載させていただきたいと思います。私が一方的に書くのはフェアではないので、きちんとした場で議論ができたらもっといいのですが。

藤末 健三(ふじすえ けんぞう)
早稲田大学客員教授 中国清華大学顧問 参議院議員
1964年熊本県生まれ。86年東京工業大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に行政官として入省。95年マサチューセッツ工科大学経営学大学院に留学、96年には同大学院とハーバード大学行政政治学大学院で修士号を取得。99年東京工業大学で学術博士号(Ph.D)を取得し通商産業省を退く。同年東京大学大学院工学系研究科専任講師に就任、2000年から同総合研究機構助教授。04年民主党参議院選挙に比例区で当選する。早稲田大学客員教授、中国の清華大学顧問も努める。公式ブログはhttp://www.fujisue.net
本稿は、技術経営メールにも掲載しています。技術経営メールは、イノベーションのための技術経営戦略誌『日経ビズテック』プロジェクトの一環で配信されています。