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図●用途別に見た中小型液晶パネルの世界需要推移(2007年〜2008年実績,2009年〜2011年予測)。TFT液晶パネルのセル・ベース。出所:テクノ・システム・リサーチ(2009年4月)。
図●用途別に見た中小型液晶パネルの世界需要推移(2007年〜2008年実績,2009年〜2011年予測)。TFT液晶パネルのセル・ベース。出所:テクノ・システム・リサーチ(2009年4月)。
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 モバイル機器などに使われる10型未満の小型液晶パネル*1の世界市場は,米金融危機を発端とする世界不況の中で,2009年1月を底に最悪期を脱しつつある。テクノ・システム・リサーチ(TSR)の予測によると2009年は急激な回復が望めず,生産枚数ベースで主要な用途である携帯電話機,デジタル・カメラ,車載機器,PND(Personal Navigation Device)向けなどいずれもが2008年より減少して,全体では対前年比4.1%減の14億9400万枚になる。しかし,今後3年間の中期需要は年率平均6.1%増で拡大して,2011年には18億5900万枚になると予測している。

 中小型液晶パネルの最大用途は枚数ベースで約7割を占める年間10億枚を超える携帯電話機であり,中小型液晶パネルの全体需要も携帯電話機市場の動きに左右される。2011年の需要枚数は13億4900万枚,2008年実績をベースにした年間平均成長率は9.6%増と予測している。

2011年,高級機はVGAでタッチパネルが標準に

 2010年と2011年の携帯電話機向け液晶パネルの需要は図のように推移すると予測した。新興国での新規需要と先進国の買い替え需要を掘り起こすために,端末メーカー,液晶メーカーともにこぞって大画面化,高精細化を志向するだろう。携帯電話機は機能を絞った低価格機とスマートフォンに代表される高級機に分化する傾向にあるが,液晶パネルのサイズだけで比べると両者の間にはこれまでほどの差はなくなる。低価格機でも2.8型程度のパネルを装備する製品が珍しくなくなると見ている。

 携帯電話機全体では2.8型から3.0型がボリューム・ゾーンになる。低価格機向け液晶パネルと高級機向けとの差は,画面解像度(表示ドット数)になる。現在,低価格機の画面解像度はQCIF(176×144ドット)だが,これがQVGA(320×240ドット)まで高精細化する。高級機はVGA(640×480ドット)が一般的になる。WXGA(1280×768ドット)は難しいにしても,一部の高級機ではそれに近い高解像度液晶パネルを装備する可能性がある。画面解像度だけを見れば,現在のネットブックに匹敵する解像度を備えた製品が携帯電話機ハイエンド市場に登場することになる。

 もう一つのトレンドはタッチパネルの装備である。スマートフォンだけでなく,一部の中級機まで採用が広がる。携帯電話機メーカーが高付加価値化を図れると考えているだけでなく,液晶パネル・メーカーにとっても,タッチパネルの貼り付けや,その周辺回路まで合わせて端末メーカーに納入できるので,1枚当たり10米ドル程度の付加価値を見込めるからだ。タッチパネル付き液晶パネルは2011年ころに携帯電話機出荷の2~3割を占めるようになると予測している。

*1 2008年に市場が立ち上がった「ネットブック」と呼ばれる低価格ミニノート型パソコン向け10型未満の液晶パネルは含まない。