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 半導体製造装置メーカーの厳しい決算や,業績修正が相次いでいる。半導体製造装置や計測機器の市場環境は厳しく,半導体メーカーによる投資の抑制や凍結の影響をまともに受けた格好である。2月6日に業績予想を下方修正した東京精密や,9日に大幅減収・減益の決算を発表した大日本スクリーン製造も例外ではない。両社は,厳しい市場環境を乗り越えるために,構造改革を急ぐ(Tech-On!関連記事)。

東京精密●原点回帰,得意分野を究める


 東京精密は2月13日の決算に先立ち,6日に2008年度(2008年4月~2009年3月)の業績予想を下方修正した。売上高は従来予想の530億円から75億円下方修正の455億円(前年度比50.4%減収),営業利益は同15億円から40億円下方修正の営業損失25億円(前年度は104億円の利益),当期純損失は同16億円から104億円下方修正の120億円(同48億円の利益)とそれぞれ修正した(PDF形式の発表資料)。なお,詳細は2月13日の決算説明会で発表予定である。


 半導体製造装置,計測機器のいずれも市場環境は厳しい。半導体製造装置では,半導体メーカーが特に検査用機器を中心に早期から投資を絞っていたため,業績の落ち込みが大きい。計測機器も主要ユーザーの自動車メーカーが投資を抑制しているため,不振にあえいでいる。ただし,いずれも,既に想定の範囲内のことである。


 東京精密は厳しい経営環境を乗り切るため,構造改革を断行する。3月に150人の希望退職者を募る。加えて,外観検査装置,ウエーハ・エッジ検査・洗浄装置事業の業容を絞り,新たな開発・製造を凍結する。外観検査装置の事業整理損失47億円,子会社生産に伴う損失25億円,さらに希望退職者募集に伴う特別加算金と株式評価損などにより,2008年度下期(2008年10月~2009年3月)合計で82億円の特別損失を見込む。


 同社は1998年以来,それまでのプローバとダイサーを中心とした事業の枠を超えて,外観検査装置,CMP(化学的機械研磨)装置,ポリッシュ・グラインダ,ウエーハ・エッジ検査・洗浄装置,電子ビーム露光装置,レーザー・ダイサーなどへと業容を拡大した。いくつかの製品が大手半導体メーカーで量産採用されるなど,常に業界を沸かせてきた。


 しかし,その一方で,既存事業に経営資源を集中していれば,ピーク営業利益は1.5~2倍になっていたとも言われる。今回の構造改革で,同社は「得意分野を究めよう」という原点回帰の姿勢を打ち出した。派手さに欠ける感のある既存装置で,どのような未来戦略をステークホルダー(企業の利害関係者)に示すことができるのか興味深い。同社のリスクは,会社が変質していく過程で,人材流出などの試練にさらされる可能性である。なお,株式市場はこの構造改革案を好意的に評価しており,株価は翌営業日に前営業日終値に対して23円高の794円となった。

大日本スクリーン●業容を2/3に,大胆な構造改革を発表

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