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図1●太陽光発電システムのタイプ別設置量の推移(2008年実績,2009年〜2013年予測)。出所:フランスYole Developpement社,(2009年4月)。
図1●太陽光発電システムのタイプ別設置量の推移(2008年実績,2009年〜2013年予測)。出所:フランスYole Developpement社,(2009年4月)。
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図2●太陽光発電システムのタイプ別設置比率の推移(2008年実績,2009年〜2013年予測)。出所:フランスYole Developpement社,(2009年4月)。
図2●太陽光発電システムのタイプ別設置比率の推移(2008年実績,2009年〜2013年予測)。出所:フランスYole Developpement社,(2009年4月)。
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図3●日本メーカーの太陽光発電システムのタイプ別生産能力の推移(2007年度末〜2008年度末実績,2009年度末〜2011年度末予測)。出所:日経マーケット・アクセス。
図3●日本メーカーの太陽光発電システムのタイプ別生産能力の推移(2007年度末〜2008年度末実績,2009年度末〜2011年度末予測)。出所:日経マーケット・アクセス。
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図4●太陽光発電システムの用途別設置比率(2009年予測)。出所:フランスYole Developpement社,(2009年4月)。
図4●太陽光発電システムの用途別設置比率(2009年予測)。出所:フランスYole Developpement社,(2009年4月)。
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 フランスの調査会社Yole Developpement社の予測によると,2009年に新たに設置される世界の太陽光発電システムの発電量(以下「設置量」)は,対前年比3.7%増の約5GWに達する(図1)。世界全体で消費が落ち込む中,太陽光発電システムはわずかながらも成長する見通しだ。2010年以降は成長率が10%超に拡大し,2013年には20GWに達する。4年間で4倍になる。

結晶シリコン型が約70%で推移

 設置量のタイプ別内訳を見ると,結晶シリコン型が2013年まで主流であることに変わりはない(図2)。2008年の77.5%から低下するものの2013年でも69.4%を結晶シリコン型が占める。

 2008年に結晶シリコン型に次いで多いのはCdTe(カドミウム・テルル)型だ。CdTe型は,コストが安いことで需要が増加している。CdTe型で生産量トップの米First Solar社の発表によると,CdTe型のモジュール・コストは1米ドル/Wを下回っている。一方,結晶シリコン型のモジュール販売価格は多結晶シリコンの価格下落で最安値では2米ドル/Wまで下がった。コストと販売価格とを単純に比較できないが,CdTe型の価格競争力が十分にあることは間違いない。CdTe型の需要増で,同社の販売量は太陽光発電システム全体でも2008年に2位になった。世界全体の設置量に占めるCdTe型の構成比で見ても,2008年の10.4%から2009年には1.9ポイント下がって8.5%と一時的にa-Si(アモルファス・シリコン)型に抜かれるものの,2010年と2011年はそれぞれ14.3%,13.1%と2位に返り咲く見通しだ。カドミウムが含まれることで環境問題を懸念する声はあるが,市場拡大が期待される米国で主流になる見通しであり,需要は増加するだろう。

 2012年以降は,好調なCdTe型をさらに上回るペースで拡大し,構成比で2位になるのがタンデム型だ。多結晶シリコンの価格下落で,a-Si型やタンデム型などのいわゆる薄膜系は,価格競争力が大きく低下した。このため性能で優位性をアピールする必要がでてきた。a-Si型では変換効率の向上が難しく結晶シリコン型に太刀打ちできないので,タンデム型へ移行するメーカーが多い。a-Si型は,タンデム型に取って代わられるため,2012年以降は製造されなくなる見通し。

 一方,日経マーケット・アクセスの調査によると,日本メーカーの太陽光発電システム向けモジュール生産能力は世界需要と異なり,結晶シリコン型よりもタンデム型など他のタイプの比率が大きくなる(図3)。2007年に多結晶シリコンの価格が高騰したことで,結晶シリコン型を避けてタンデム型など他のタイプに舵を切ったためだ。しかし,2008年10月以降は多結晶シリコンの価格が下落して,発電効率の高い結晶シリコン型の優位が鮮明になってきたことで短期的には苦しい。

産業用が約4割を占める

 2009年の太陽光発電システムの設置量を用途別に見ると,最も多いのは産業用で全体の37.3%を占める(図4)。続いて発電所用が28.5%,住宅用が25.6%になる。アフリカなどの新興国で,これまで電力供給されていなかった地方を新たに電化するのに使う「地方電化用」は8.7%と少ない。