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図1●台湾のデスクトップ型パソコンの出荷台数推移(2007年第1四半期〜2008年第4四半期実績,2009年第1四半期実績推定,2009年第2四半期〜第3四半期予測)。出所:台湾Market Intelligence Center(MIC),(2009年4月)。
図1●台湾のデスクトップ型パソコンの出荷台数推移(2007年第1四半期〜2008年第4四半期実績,2009年第1四半期実績推定,2009年第2四半期〜第3四半期予測)。出所:台湾Market Intelligence Center(MIC),(2009年4月)。
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 2009年第1四半期の台湾デスクトップ型パソコンの出荷状況はやっと上向いてきた。デスクトップ型パソコンに対する市場の需要不振が続いていたことを受け,ブランド・メーカーは2008年第4四半期に在庫消化を積極的に進めた。その効果が2009年2月,3月に表れ始めた。2月こそ,在庫を減らしすぎてしまった一部の流通チャンネル向けの少量出荷にとどまったが,3月には出荷が集中した。

 ブランド・メーカーの契約満期による納品も3月における出荷量成長の原動力になった。一方,コンデンサーやチップなどの部品は,歩留まりやシステム・メーカーの在庫水準が低かったことを受けて供給不足になり,これが出荷時期の遅れをもたらしたものの,システム・メーカーの出荷達成率には大きな影響がなかった。

 2009年第1四半期における全体出荷台数は対前期比で6.6%減,対前年同期比で8.1%減の1006万台強となった(図1)。また,生産総額は対前年同期比で10.2%減の27億5800万米ドルとなった。その要因としては,川下の発注に対する動きが積極に転じた原因が市場ニーズの復調によるものではなく,市場の在庫が減りすぎたことの反動によるものであったため,平均小売価格の下落に歯止めがかからなかったことと,生産量が減少したことなどが挙げられる。

川上・川下の圧力で出荷台数は抑制傾向

 2009年第2四半期における出荷台数については,以下の2点に留意すべきだろう。

 第一に,製品の多様化を図るため,ブランド・メーカーは第2四半期の新製品展開において,液晶ディスプレイ・サイズの異なる各種オールインワン製品を相次いで発売し,また,一部のブランド・メーカーはCPUの世代交代に対応するため,DRAMをDDR2からDDR3へシフトする計画を立てている。しかし,DRAMやオールインワン製品向け液晶パネルなどキー・コンポーネントのサプライヤーが「数量による価格コントロール」戦略を採用したり,供給方式を伝統的な受注による出荷から現金受領確認後出荷へと変更する動きが出てきている。そのため,コンポーネント価格の変動がその後の新製品発売価格に影響することが予想される。

 第二に,在庫増加による価格下落の損失を回避するために,ブランド・メーカーの発注に対する姿勢が慎重に転じている。末端流通業者の在庫準備が安全なレベルにまで補充されたことや,第2四半期が伝統的に需要閑散期であるため,出荷をけん引する力は弱い。これらを勘案し,2009年第2四半期における出荷台数は対前年同期比で9.2%減の968万台強になる見込みである。

 出荷金額については一段と減少する。景気低迷やエンド・ユーザーにおける低価格指向の強まりにより,ブランド・メーカーは引き続き競って販売価格を引き下げ,ユーザーの購買意欲の喚起に努めているが,これが受託生産メーカーの平均出荷価格に響いている。出荷価格帯が251~450米ドルの製品の出荷製品全体に占める割合が明らかに減少し,151~250米ドル帯の製品へと移行しつつある。また,一部のブランド・メーカーは,以前に比べ“ネットトップ”製品の出荷に対し積極的である。全体的な平均販売価格が継続して下落していることに加え,生産量も後退しているため,2009年第2四半期における生産総額は対前年同期比で18.7%減の25億6000万米ドルになるとIIIは予測している。

中国市場は補助金で活性化

 2009年におけるデスクトップ型パソコンの出荷状況を仕向け地別に見ると,中国は,政府が積極的に内需を刺激していることもあり,他の地域に先駆けて回復の力を示している。また,「家電下郷」政策(中国政府が2007年末に策定し,2008年1月に導入した農村地域の消費刺激策。農民が家電や携帯電話などを購入する際に,政府が補助金を出す)による公開入札が行われているため,ブランド・メーカーが中国展開を強化する機会は以前にも増して多くなっている。この影響で,今後は台湾メーカーの全体出荷量に占める中国向け構成比が増加すると思われる。

 とは言うものの,全体的に見れば,ブランド・メーカーは依然として欧米市場を中心として出荷しており,また,デスクトップ型パソコンの成長がビジネス向け市場に頼る傾向もますます強くなっている中で,欧米市場は依然として,マクロ環境が厳しいことや,ノート型パソコンによるデスクトップ型パソコンの置き換えのための打撃に直面している。また,企業が2008年に出した今後の景気に対する見通しは,2009年度のIT予算編成に如実に反映されている。主力市場における出荷成長がボトルネックに陥り,企業がITに対する支出を大幅に縮小するなどの試練に直面することによって,2009年における台湾のデスクトップ型パソコンの出荷量は,対前年比で7.9%減の4091万台になり,生産総額は対前年比で13.8%減の110億5500万米ドルになる見込みである。