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トロロアオイの粘液を濾してノリにする。
トロロアオイの粘液を濾してノリにする。

 紙漉きに向いているのは、寒い時期である。暖かくなってくると、ノリが効きにくくなるからだ。化学的に合成したノリを使えば夏でも漉けるし、事実尾崎家でも、わざと塵を入れた紙は7月ごろから化学ノリを混ぜて漉く。

 しかし昔ながらの白い紙には、やはり自然のノリである。化学ノリを使うと「ボサボサした紙」になりがちという。繊維の絡み具合が違うようだ。しかも化学ノリは、漉いている間ずっと粘りが持続するので、かえって使いづらい。トロロアオイのノリは,漉いているうちに効き目がなくなってくる。水中の繊維が減るのとあわせて、うまい具合に効き目がなくなるのだという。

 4月も近づいたこの時期で、この冬の紙漉きはほぼ終わり。今年の紙の出来映えはどうだろう。(文中敬称略)