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 大不況が悲劇であることに変わりはありません。けれど、これからの人材発展ということを考えれば、けっして悪いことばかりとは言えないような気がします。いやむしろ、最善の結果と言ってもいいのではないでしょうか。進路の選択肢が格段に広がり、他人の思惑ではなく自身の夢に沿った道を選ぶ風潮が広がったわけですから。

 これから社会に出る人の、それは歓迎すべきニュースですが、もう社会人になって経済状況や自身の職場に不安を抱えてソワソワしている私たちはどうでしょう。日本はとても自殺が多い国なのに、どうも家族や友人などに悩み事を洗いざらい打ち明けるということがうまくできていないような気がします。伝統的な美徳である「弱音を吐かずに我慢する」という精神が、今でも浸透しているからなのでしょうか。

 これはいいことなのかどうか分かりませんが、アメリカは相談やカウンセラーのメッカです。あらゆる問題に対してカウンセリングが用意されている国なのです。つい最近まで、仕事に関する悩みを扱うカウンセリングは最も人気が低い部類でしたが、不景気のおかげで不安を感じる人が急増、人気もうなぎ上りなのだとか。さらに、悩みの内容も変わってきたそうです。「仕事がうまく進まない」とか「自分のアイデアが拒否されそうで不安」といった心配は減り、リストラ関連の悩みが急増中といいます。

 ニューヨーク・タイムス紙が指摘していますが、こうした分野のカウンセラーはコーチに近い存在です。通常のカウンセラーは精神科医だったり心理療法士だったりするわけですが、仕事に関するカウンセラーは医者や心理学の専門家というよりコーチで、特殊な資格はいらず、だれでもなれるのです。

 そのことをよく知った上で、自分の悩みの内容に応じてカウンセラーかコーチか、どちらに相談するかを決めなければなりません。自己価値の問題や人生のトラウマなどに対するアドバイスが欲しければ、それが仕事上のことであっても通常のカウンセラーに相談するのが適切でしょう。中途応募のやり方、就職面談の心得などを教えてもらいたければ、コーチの方がよさそうですね。けれど最近は、需要の急拡大を受け、仕事に関する悩みにまるごと応えられる、コーチとカウンセラーのハイブリッド型も出現してきているのだとか。さすがアメリカ・・・。

 カウンセラーに予約を入れるまでもありませんが、私も仕事上の悩みは深いので、そこから逃れるために休暇をとらせていただきます。次のコラムは、休暇中の海外からです。