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 メーカーてェのは大変ですナ。クレーム、つまり商品の不具合や欠陥なんざァ、ない方がいいに決まってますわねェ。ところが、いろいろな商品を造って売っている以上、神様じゃないんだから、万が一、たまに発生するのはしょうがないてェもんですよ。新聞やテレビ報道なんぞをよく見ていると、毎日のように、クレームやリコールが出てしまうものですナ。まあ、確信犯的(あらかじめ予測可能)な事件は別にして、ほとんどが、予期せぬ出来事、自分でもビックリてェなことが多いようです。特に、大会社になりますと、そりゃァ商品も多いので、確率も大きくなり、発生すること自体はしようがないてェもんです。あっ、誤解しないでくださいな、決して肯定しているんじゃなくて、完ぺきはないってことですよ。

 それと、会社としてのクレームとでも言いましょうか、社員の不祥事てェヤツも厄介です。大きな会社になればなるほど社員の数も多くなり、不祥事や事件が起こってしまう数も、相対的に多くなるんでしょうナ。

 で、アタシが言いたいのは、クレームや事件が世間に公表されたときの、経営者、特に社長が出てきて謝る、その謝り方が大事てェことです。社長のクセに、自分は無関係と言わんばかりに、シラッとした顔で「頭下げリャあいいんだろう」ってな謝り方もあるし、本当に泣いて謝る社長もいる。もしも、謝り方の王道てェのがあるとすれば、それを考えようてェことです。時には、社長の謝り方が不適切な(もっと言えば悪い)ばかりに、会社そのものの存続が危うくなった事例も、思い出せば、結構ありますヤネ。そう考えると、起きてしまった事は仕方ないとして、謝り方で、クレームや事件の処理は決まってくるてェことですよ。

 もちろん、根本的な原因にフタをするなんていけませんヤネ。原因を徹底的に追究して解明し、それを解決するのは当たり前。要は、本当の意味での始末をどうするかてェことです。

 明らかなのは、とにかく、徹底的に謝る。何を言われても弁解しない。この姿勢が大切で、ここを、一番見ているんじゃあないですかねェ、シトというのは。そして、徹底的に尽くす。これも大切。「尽くす」の意味は二つあって、一つは原因の究明と対策、もう一つは賠償ですナ。これを徹底的にするてェと、お客様は、起きちまったことはしょうがないが、まあ、勘弁してやるか、そんな気になってくれるんじゃあないですかねェ。

 そう言えば、あの電器大手のメーカーが、もう10年近く経った今でも、過去に造った商品のリコールを、全精力を傾けて実行しているのを見るにつけ、ある意味、頭が下がります。社長が代わっても、いつも同じ姿勢、リッパなものですナァ。逆に、どこぞのメーカーなんざァ、リコールの事実を否定し続け、挙句の果てに裁判にまでなっちまった。ホント、トップの謝り方は大事なんですナ。

 おっと、何やら例のお局が電話でペコペコしているではありませんか。「本当に申し訳ありません。はい、二度とこのようなことがないように気を付けます。本当に、本当にすみませんでした…」。普段のお局とは別人のよう、殊勝に謝っているじゃありませんか。「どうしたのさ、何かあったのかい」と聞くと、「○○君がね、いつもの居酒屋で、そうとは知らずに、お得意様の部長さんにつっかかったのよォ。飲んだ勢いで、隣の席にいたその人ともめちゃったんですって。まだ若いのよねェ」。「で、何で君が謝るんだい? 本人に謝らせりゃァいいじゃないか」。そう言うとお局、「次郎さん、先方は、○○君がこの会社の社員だってことを知って、それで電話してきたのよォ。だから、誰だって、一番先に電話に出た人が、会社を代表して謝るのが当り前じゃない! ヘタに本人がグズグズ謝ったら、逆効果ってもんでしょ。次郎さん、謝り方が大事なのよ!」。

 う~ん、お局、なかなかやるじゃァねェか。見直したゼェ。