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 その事業仕分けの俎上にこのスパコン・プロジェクトも上げられた。その結果だが、西和彦氏もさるコラムで「ソファから転げ落ちると思うほどびっくりした」と書かれていたが、「来年度の予算計上見送りに限りなく近い縮減」というものだった。その結末は多くの議論を呼んでおり、「新政権は科学技術をどう考えているんだ」などという声も上がっているらしい。

WGの評価結果

 評価のコメントを見ると

  • 10ペタスパコンを開発することが自己目的化している。巨額の税金を投入して世界最高水準のスパコンを創る以上、大事なのはスパコンを生かして、どのような政策効果を出していくのかを、明確にできなければ、国費投入は無理である。
  • スパコンの国家戦略を再構築すべきである。従来の検討者以外の新しい研究者を入れて、新しい議論を公開しながら行うべき。現状はスパコンの巨艦巨砲主義に陥っていないか。競争のルールが変わってきている可能性はないか。世界の中での位置づけを検討すべき。おそらく日本の先端技術についての国の形を変えるかどうかを検討することになるだろう。

などと、非常に常識的な指摘になっていると思う。

次世代スパコン・プロジェクトについての国会質問

 先に触れたように、本プロジェクトについては今年7月に、国会で質問(内閣参質一七一第二二二号)をしている。その質問の趣旨は、以下の通りである。

  • スーパーコンピュータは、(中略)気象予測や天文学シミュレーションといった科学面だけでなく、自動車や航空機など工業製品の構造を分析する有限要素分析や境界要素分析、そして金融工学など大規模数値解析を必要とするシミュレーションに利用されるものである。このようにスーパーコンピュータは産業競争力の基盤となるものと言える。しかしながら、このような多様化する学術界や産業界のシミュレーションのニーズに対応した政策を行っているかを具体的に理解することができない。
  • 産業面でのスーパーコンピュータ利用分野は広がっているが、技術立国の基盤である高速計算能力・シミュレーション能力確保への計画的な投資を進めてこなかったことが、このような結果を生んでいるのではないか。また、よりニーズを把握したプロジェクトの立ち上げや公共財としての高速計算環境の利用環境の整備など最新技術の研究開発のみならず、その実用化及び利用までを視野に入れた総合的な政策計画が必要だと考えるが、政府の見解を示されたい。
  • 世界のスーパーコンピュータの計算速度の性能を集計した「TOP五〇〇プロジェクト」の最新ランキングによると、スーパーコンピュータ計算速度上位500台の国別の保有台数では、日本が15台で6位となっており、21台を持つ中国に抜かれている。本プロジェクトについては評価手法などに批判はあるものの、ある程度の指標にはなると考えられる。現在、産業面でのスーパーコンピュータ利用分野は広がっているが、技術立国の基盤である高速計算能力・シミュレーション能力確保への計画的な投資を進めてこなかったことが、このような結果を生んでいるのではないか。また、よりニーズを把握したプロジェクトの立ち上げや公共財としての高速計算環境の利用環境の整備など最新技術の研究開発のみならず、その実用化及び利用までを視野に入れた総合的な政策計画が必要だと考えるが、政府の見解を示されたい。

 今読み返してみると、仕分け調査の指摘と同じことを指摘していることがわかる。