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 2009年11月の台湾電子セクター各製品分野の代表的企業32社の売上高は,YOY+35.7%,MOM +0.7%だった。11月は全体でMOMが1ケタ台前半~半ばの減収をドイツ証券では想定していたため,実績は「ポジティブ」である。アプリケーション別でも,概ねすべての分野において想定線か想定線を超える良好な内容である。DRAMのように価格上昇による効果が大きい分野はMOM増収に意外感はないが,液晶パネルやノート・パソコンのように数量要因で上ぶれ,MOM増収となっている分野の方が「ポジティブ感」が強い。受動部品やプリント基板(PCB),ファウンドリ後工程などはMOM減収となっているものの,例年より減収幅が小さい点と,年末商戦を控えた「急単」(Rush Order)が入ってきている点,購買側のセット・メーカーの在庫水準が高くなく2010年第1四半期についても購買意欲が強い点,でポジティブなモメンタム(勢い)である。

 米国の感謝祭商戦での販売は好調裏に終わったこと,大手量販店間の競争激化も手伝って主要最終製品の小売価格が年末商戦に向けて当初想定以上に下がっていることなどから,年末時点で過剰な流通在庫が堆積しているリスクは低いとみている。また,中国市場向け製品では,元日から旧正月商戦に向けて部品などの買い込みが始まっており,この傾向は1月半ばまで続こう。中国市場では,「家電下郷」「以旧換新」などの政府補助金制度の存在,主要ブランド間の競争激化により,小売価格は低めに抑えられる。加えて中国では景況が欧米ほど悪くないため,元日から旧正月商戦で過剰在庫が堆積するリスクは低いとドイツ証券ではみている。つまり,川上の電子部品・液晶パネル・半導体など部品関連を中心に,2009年第4四半期~2010年第1四半期の季節性による減収は例年より緩やかなものになる可能性が高い。

 電子セクター全般,特に川上分野においてはポジティブな流れが当面続く可能性が高い。ただし,小売主導で最終製品価格が想定以上に低下している一方で,主要部品の一部には供給不足の顕在化で価格が上がっているものも少なくない。両者に挟まれたセット・メーカーやブランド会社は相対的に厳しい位置にあると判断できる。川上を震源とする「インフレ」に需要家であるセット・メーカーやブランド会社がどのように対応するのか(スペックを落とすのか,数を絞るのか,そのほかの策を採るのか)が,2010第1四半期後半以降の電子セクターのモメンタムに大きな影響を与える可能性があり,注目したい。