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(1)資金源は株主が中心ではない

 会社は株主が提供した資金により運営されている、と通常思われている。しかし、実際にアメリカ大企業の資金源を見てみると、内部留保と借り入れが全体の8割以上を占めていいる。少なくとも、成熟企業における株主の重要性には疑問符がつけられよう。

 

(2)株主の負うリスクは固定的ではない

 株主は出資というリスクを負って会社に貢献していると思われているが、その流動性は高い。すなわち、株主は基本的にはいつでもその証券を売却できる。従業員・顧客・仕入先といった他のステークホルダーと比して、株主と企業とを結ぶ絆は緩いことがまず指摘できる。また、そもそも株主とは短期的な利益を目指している投機家である。不確実で定量化しにくい長期投資など、株価に反映されない指標を評価しない傾向にある。ゆきすぎた株主至上主義は経営を短期的にすることは明白なのだ。

 

貪欲な経営者はますます正当化される時代に

 1990年代以降、日本はアングロサクソン型企業経営を追い求める傾向が顕著になった。上場企業の利益水準は上がり、株主への利益還元も増強、その反面で従業員の報酬はほぼ据え置きといった具合である。社会の不公平感は増大する一方だ。