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 第一に、公開会社にふさわしい情報開示のあり方が明確になる。金融商品取引法の情報開示制度、財務諸表制度、会計監査制度を準用することにより、情報開示が強化される。また、株主には随時質問権を与え会社にも回答義務を与えることも考えている。

 次に、内部統制を強めることで、企業統治が向上する効果も想定できる。社外取締役になるための条件を強めることで、資本市場の要求に応えられるようになるであろう。監査役はその独立性、機能性を強化し、公認会計士・監査法人の監査役会等に対する報告義務を設ける。監査役の一部は従業員代表から選任することも必要だ。

 最後に、企業集団を基本単位とすることで、親会社子会社の複雑さを解消することもできる。企業集団については金融商品取引法上の概念を前提とし、親会社は、子会社の会計制度、内部統制制度の構築と運営に責任を負うということを明確化する必要がある。たとえば、親会社は株主総会で子会社の重要な意思決定を行うことや、親会社株主に、子会社への代表訴訟提起権を付与することを定める。そして、子会社債権者には、親会社及び親会社取締役に対する損害賠償の請求を認めることも必要だ。

 今までの検討で「新興企業」の話は聴いていない。そのため、「公開会社」が上場企業すべてを等しく対象にするかどうかという点については深い議論をしていないと私は思っている。その点が大きな反発を受けているのではないかと感じる。プロジェクトチームにおいては明確な結論は出していないが、藤末個人としては「新興企業と成熟した大企業とは基準を変えるべき」だと思う。知り合いのマザーズ上場企業の経営者を見ているとIRの金銭的・時間的コストが大きくて、なんのための上場なのか?とも考えてしまう。

 今回述べさせていただいた民主党プロジェクトチームとしての考え方を基に、次回は私個人として強く願っている部分、たとえば「行き過ぎた株主の権利制限(敵対的買収の条件見直し、長期保有株主へのインセンティブの付与)」「ガバナンスに非正規労働者をも組み込んではどうか」などの論点を是非述べさせていただきたい。

 また、どんどん成長している新興企業の経営者などの話も聞かせていただき、より論点を深く整理して行きたい。

藤末 健三(ふじすえ けんぞう)
早稲田大学客員教授 参議院議員
1964年熊本県生まれ。86年東京工業大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に行政官として入省。95年マサチューセッツ工科大学経営学大学院に留学、96年には同大学院とハーバード大学行政政治学大学院で修士号を取得。99年東京工業大学で学術博士号(Ph.D)を取得し通商産業省を退く。同年東京大学大学院工学系研究科専任講師に就任、2000年から同総合研究機構助教授。04年民主党参議院選挙に比例区で当選する。早稲田大学客員教授。公式ブログはhttp://www.fujisue.net