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 前稿掲載後、さらなるインタビュー活動に走りまわった。グリーの田中良和社長に代表される、マザーズ、ジャスダックといった新興市場に上場したベンチャー企業の経営者10人以上、エンジェル、ファンドの方々40名以上…この場を借りて、心から御礼を申し上げます。

 そこでおうかがいしたご意見をしっかり認識した上で、公開会社法に関してお寄せいただいたご意見にお答えする第2回として、「上場企業に対する会計などの規制をこれ以上強化するのか?」という問題を採り上げたい。

 以下が、本件につきツィッターを通じてお寄せいただいたご意見である。

@kazunoblog:維持コストを補って余りあるメリットを享受すると考えられる場合に上場を選択すべき。

@katozumi:上場の幾つかの目的のひとつは投資家の皆さんにご出資戴くこと。リスクを理解戴くためには当然、IRにも手間がかかる。

@taichikun:統制管理が目的なのか、振興が目的なのか。上場することのデメリットの増大ばかりが目に付きます。

@kobenyanta:株主規制の持論、物凄い違和感あります。民主党は雇用規制の強化で製造業の海外移転を促そうとしてますが、さらに市場まで規制強化すれば、日本は焼け野原になりますよ。今は上場企業の役員が「日本に本社置く意味あるの」とすら言う時代ですよ。

 公開会社法について民主党プロジェクトチームの目指すものは、1)情報開示の徹底、2)内部統制の強化、3)企業集団の明確化、により産業振興を図ることである(「公開会社法、民主党はこう考える」参照)。今回いただいた読者のご意見をまとめると、「1)2)が連動して、手かせ足かせとなり、上場の金銭的手間的コストを増大させるのではないか、そしてそのことが上場企業の国際競争力を低下させるのではないか。結局、上場のメリットはほとんどなくなるのではないか」と懸念されていると分析できる。

 1)については、既存の会社法というひとくくりでほとんどすべての企業を網羅するのではなく、公開会社には公開会社にふさわしい情報開示のあり方が必要だろう、というのが民主党案の出発点だ。公開会社は社会的公器であり、多様な利害関係者を保護するためにもこうした考え方は必須と思われる。藤末個人として付け加えるなら、公開企業の中でも,新興市場に上場するベンチャー企業など規模の小さい会社と,東京証券取引所に上場するような大企業は区別すべきだとも考える。公認会計士法・金融商品取引法・会社法などでパッチワークとなっている現行法制の複雑さを解消したいという狙いもあることを付け加えておく。

 2)の内部統制については前回のべさせていただいたが、1)2)が連動して上場を目指す企業が減り、投資家が日本からますます遠ざかるような結果にならないような配慮はもちろん必要である。

日本版SOX法(J-SOX)にどう対応していくか

 私はかねてより、J-SOXが要求する厳格な内部統制報告義務には少々疑念をいだいてきた。小規模の企業にとっては、過剰なコストと考えるからだ。私の知る実例だと、マザーズに上場している売り上げ20億円ぐらいの会社が内部統制、会計検査やコンサルティングに払っているお金は何と年間約2000万円、売上げの1%を払っている計算になるという。昨今の不況で、もう利益がほとんど上がらない中に売上げの1%近い負担が生じているのだ。

 米国においては2004年から、中小規模の企業(時価総額が7500万ドル未満の上場企業)についてはSOX法の適用範囲外としている。日本もそれに倣った適用緩和の検討を進めるべきではないだろうか。