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産業振興のために規制見直しを

 たしかに、現状でも上場を予定する企業は逓減している。帝国データバンクの調査によると、2009年に上場を予定・希望している企業は7社にとどまり、調査対象企業の0.8%にすぎない結果となってしまっている。さらには、準備を中断する企業の多さも際立つという。

 ただし、この原因がすべて上場に係るコストによるものかというと疑問符がつく。同じ調査によれば、上場コストや維持の手間よりも、株式市況の低迷や収益悪化による上場基準の未遂のほうが重要視されているからだ。もちろん、上場コストへの不満も31.9%と看過できない水準に及んでおり、ここから経営や市況に悪影響が及んでいると考えることもできる。株式市況を好転させるには様々な施策が必要であり、一筋縄ではいかないが、上場コストを減らすのはひとえに立法政策にかかっており、より容易なはずである。不必要な規制は今後も指摘したい。

 そもそも政治家藤末としてまず第一に考えるべきは、「雇用を増やすこと」にある。根底に流れるこの想いをかなえるには、企業が成長することが前提となる。そのためにはガバナンスの過剰な負担を減らし、投資家が安心して投資できるシステムを整備することが必要だ。その結果として、産業振興が達成される。端的に言えば、規制を見直して最適化する、ことが肝要だ。

 そのために重要なのは、東証1部2部とマザーズ、ジャスダックを区別するなど市場ごとの扱いを明確化することである。もっと最適化するならば、そうした市場ごとの区別に加え、市場内部でも企業の成長力に着目した指標を新たに作り出して対応するのも良いかもしれない。実務に負担をかけない範囲で、現状の規制を見直して最適化したいのだ。この不況下に新しい事業を興して戦っているベンチャー企業を支援するために、少なくとも足を引っ張らないために、国際標準に照らしてムダな規制は明らかに減らすべきだろう。

 公開会社法について、政府は今月(2010年2月)にも法制審議会へ諮問を行い、いよいよ立法手続きへ踏み出すと聞いている。私は、今回の公開会社法は新興市場には適用しない、ことを明確に記すべく運動を続けていきたい。皆様の声をいただきながら、3月以降の国会活動を進めることをお約束する。

藤末 健三(ふじすえ けんぞう)
早稲田大学客員教授 参議院議員
1964年熊本県生まれ。86年東京工業大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に行政官として入省。95年マサチューセッツ工科大学経営学大学院に留学、96年には同大学院とハーバード大学行政政治学大学院で修士号を取得。99年東京工業大学で学術博士号(Ph.D)を取得し通商産業省を退く。同年東京大学大学院工学系研究科専任講師に就任、2000年から同総合研究機構助教授。04年民主党参議院選挙に比例区で当選する。早稲田大学客員教授。公式ブログはhttp://www.fujisue.net