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 お取引先の重役さん、時々ご一緒するんですが、大酒ァ飲むは、タバコはスパスパ吸うは、おまけに超メタボで、カラダにいいこと、何もなし。そんなシトですヨ。で、その重役に言われたんです。「次郎さん、チョット太りすぎじゃァありませんか。何ごともカラダが大事、メタボじゃダメですよ。自己管理が出来ない人が、ビジネスの世界で成功した例はありませんから」。そう言われてもねェ、困りますワナ。アタシだって、健康のことは考えてますし、自分のことですから、結構、健康管理はしているつもりですヨ。こんな時、言われて率直に思うのは、「ご自分のお身体、いかがでしょうか。ご自愛願います」てェことですヨ。

 逆に、酒やタバコ、一切やらない、なのに、どう見ても健康そうでないシトに、「次郎さん、お酒もタバコも一切ダメですよ、そんなことすると若死にするからね」って言われてもねェ。これも、困りますワナ。「アタシのことより、あなたのほうが心配です」なんて言えないし、まして、「あなたのほうが先に…」なんて言えない、大事なんちゃって。

 健康に関する話だけじゃありませんヨ。確かに勉強は出来たんでしょう、あの東京のすごい大学を出たシト、でもいまだに勤めることもなく、実家でブラブラしている。そのシトに、「人生は学歴で決まる。だから、勉強しなくちゃあ」と言われてもねェ。「ちゃんと、お勤めになった方がよろしいんじゃないですか」って思うんですナ。

 あるいは、若い時にスポーツで鍛えたことが自慢なのに、今は生気を失ったかのように見えるシト。「次郎さんも体を鍛えなきゃダメですよ。何をするにも身体が資本。しっかり鍛えて人生をイキイキと」。そう言われてもねェ、説得力はありませんヤネ。逆に最近、鍛え始めたばかりのシト、「鍛えると、心もカラダも健康になりますよ。さあ、次郎さんも鍛えましょう!」。確かにそうかもしれませんが、無理じいはいけませんヤネ。しかもご自身、一体、いつまで続くのやら…。

 ビジネスの世界にもありますナ。例えば、協力企業、いわゆる下請けを集めての会合での社長の挨拶。「我が社が今あるのも皆さんのお陰です。ですから、さらにコスト削減、がんばってください」。それって、社長さん、アンタの会社が今もうかってるのは、結局、協力企業の「コスト削減協力」のお陰でしょうが、それを、しゃあしゃあと言うのもいかがなもの、てェことですよ。

 うちの専務も言いますヨ。「我が社があるのは社員のお陰。これからも、これまで以上に、切磋琢磨でがんばってくれたまえ」。おいおい専務、そりゃあ、そっくりそのまま、アタシたち社員のセリフだヨ。そこまでKYじゃあ、怒る気にもなれねェや。

 ヤレヤレ、このように、世の中には嬉しくないエールてェもんがあるんですナ。嬉しくないより、何とかしてほしいくらいの話もありまして…。

 一番、腹が立つのはどこぞの首相。「国民が愛で結ばれて幸せになって欲しい」。愛で幸せになるのはいいんですが、自分はずうっと母親から、月々ウン千万円のお小遣いをもらい続けていたなんて、冗談じゃァねェ! アンタの母親の愛は大金付き(おおがねつき)てェことですかァ?(「おおがねつき」と「おおうそつき」のシャレのつもりですが,オソマツ!)

 少々、興奮してしまいましたヨ、ここは落ち着いて…。要は、エールを送る側、チョッピリでもいいですから、それなりにお手本になっていないてェと、きき目がないのです。エールを送るのはいいのですが、送ってもらった側が、うれしくなけりゃァ、きき目はありませんヤネ。まして、逆に心配されるようじゃあいけません。もっと言えば、エールてェもんは、身をもって示すことかも知れませんヤネ。

 いつもの赤提灯。こんな話で、いつもの三人、盛り上がりました。飲むほどに酔うほどに、お局がしんみりと、「ところで、次郎さん、娘さんもお年ごろ。いいお婿さん見つかるといいわね。アタシ、気にしてるのよ。やっぱり、オンナはせめて一回くらいは結婚しなくちゃね」。娘のことを心配してくれるのは嬉しいのですが…。そこにすかさず、「だけど、自分のことも考えなくちゃあいけねェ。結婚だけがシアワセとは言わないが、それもアリ。せめて一回、俺も、そう思っているんだゼェ」と、部長のエールです。

 ははは、せめて一回、そこが気になりますが、そうなんです、アタシも、お局のシアワセ、いつも願っているんですヨ。