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 まず人事面だが、研究法人の役員数を削減し、採用はすべて公募で行うことを提案したい。現在は、32法人に166人の常勤役員がいるが、うちなんと54人もが天下りによるポストなのだ。

 次に、国立研究機関や研究資金管理機関など32ある研究開発法人の統廃合を行うことも外せない。(1)研究資金管理機関をひとつのコンソーシアムとし、総合科学技術会議の下で競争的な研究資金分配の枠組みを見直すことや、(2)研究の実施機関を基盤科学技術系、産業技術系、社会インフラ系、医療福祉系、農林水産系と分野別に取りまとめること、が望ましい。

 こうしたことの積み重ねにより、研究開発の管理の効率化と役員数・天下りの大幅な削減が可能となるのではないか。また、「研究開発法人法(筆者想定の仮称)」により研究開発法人を他の独立行政法人とは違う位置づけとし、評価、人事や会計基準を研究推進に最適なものに設計しなおすことも必要だ注1)

注1):研究力強化法附則第6条に「政府は、この法律の施行後三年以内に、更なる研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進の観点からの研究開発システムの在り方に関する総合科学技術会議における検討の結果を踏まえ、この法律の施行の状況、研究開発システムの改革に関する内外の動向の変化等を勘案し、この法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とある。施行は平成20年10月であった。

総合科学技術会議の大幅改革

 さらに上段の改革も必要だ。そもそも現在のわが国における科学技術政策は、総合科学技術会議と文部科学省が管理する二重構造になっており、かつ、研究プロジェクトは各省庁に分散管理され、科学技術が実用化までつながってない。また、国の研究プロジェクトの評価の透明性・公平性が不十分である。

 そこで筆者は、以下のような総合科学技術会議の機能強化を図る対策を提言したい注2)

(1)総合科学技術会議に文部科学省の「科学技術の総合的振興などに関する調査審議機能(文部科学省設置法第7条)」を移管する。同時に科学技術政策のシンクタンクである科学技術政策研究所も総合科学技術会議に移管。また、総合科学技術会議の研究プロジェクトの評価結果を予算に明確に反映させる(国家戦略局との連携)。
(2)委員の多くを研究所や企業とし、第一線の研究者や企業者をメンバーにする。産業界の委員も増やす。また、総合科学技術会議が研究開発のみならず科学技術人材の育成(大学教育)や科学技術の実用化(規制の設定)までも政策を立案できるようする。
(3)総合科学技術会議の科学技術振興調整費(20年度予算340億円)を1000億円程度に増額する。

注2):民主党が2009年総選挙でマニフェストに付随して発表した政策インデックス2009も参考になる。関連部分を抜粋すると、「産学官が協力し、新しい科学技術を社会・産業で活用できるよう、規制の見直しや社会インフラ整備などを推進する「科学技術戦略本部(仮称)」を、現在の総合科学技術会議を改組して内閣総理大臣のもとに設置します。同戦略本部では、科学技術政策の基本戦略並びに予算方針を策定し、省庁横断的な研究プロジェクトや基礎研究と実用化の一体的な推進を図り、プロジェクトの評価を国会に報告します。」となっている。

 今回の中間報告では、複数年度の予算執行を認めるなど、旧来の研究開発独法よりも柔軟な運営を可能にすることも記されている。最終報告を出すまでの過程を、注視したい。

出典:内閣府資料
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