
クリーンテック世界動向
目次
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国際競争力担う「オープンデータ」――日本、挽回できるか
日本でも「オープンデータ」への取り組みがようやく本格化してきた。オープンデータとは、各種組織が収集・保有・管理しているデータを一般に公開すること、あるいは公開されたデータそのものを指す。公開対象として最も代表的なのが、官公庁や地方自治体といった行政が保有するデータで、欧米でオープン化する動きが先行…
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日本の技術で二酸化炭素削減――アジアへのインフラ輸出が本格始動
日本の社会インフラ事業を海外に展開するうえで、重要な施策が本格的に動き出した。アジアの低炭素社会実現のための「二国間オフセット・クレジット制度(JCM)」である。JCMは数年前からフィージビリティ・スタディー(事業化調査)の予算を獲得して調査されてきたが、2013年度からは大規模形成支援事業としての…
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トヨタも参入、自動車大手が欧州カーシェア市場で競演
欧州で、自動車メーカーがカーシェアリング(以下、カーシェア)市場に参入する動きが加速している。欧州ではすでに、スイスやドイツなどを中心に社会インフラやモビリティ(移動手段)としてのカーシェアが世界で最も普及している。これまでは草の根的な非営利団体やサービス系企業が中心だったが、3~4年前から大手自動…
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「人生90年時代」のまちづくり――未来都市めぐり議論沸騰
「環境未来都市構想」とは、都市化に伴う環境問題や超高齢化の課題を解決する成功事例を生み出すことを目的とした国家プロジェクト。内閣府が主導して2011年12月に11都市が選定され、課題解決のための仕組みづくりを進めている。この2013年2月16日、環境未来都市構想関係者および環境問題が超高齢化問題に…
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EV普及のカギ「無線給電」――循環バス実証で見えたもの
長野市では、同市が民間に運営委託している「ぐるりん号」と呼ぶ循環バスが、長野駅や善光寺、県庁などの中心市街地を巡回している。そのうちの1つの車輌が、早稲田大学などが開発した、プラグ式とワイヤレス式の両方で充電できる電動バスだ。1周8kmの比較的短いコースを40分程度で毎日4回運行している。
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EVは「働くママ」の足になれるか、さいたま市の挑戦
電気自動車(EV)の普及施策「E-KIZUNA Project」を推進するさいたま市が、2013年2月、働きながら子育てをする母親を対象にしたEVの実証事業を開始した。イオンリテール、パーク24、NTT東日本(東日本電信電話)、ホンダと連携し、子育て層がEVを活用するうえでの問題点を明らかにする。…
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進む二酸化炭素の農業利用――温暖化の「悪玉」を有用資源に
発電機の稼働で生まれる電気のほか、排熱も利用する「コージェネレーション(熱電併給)システム」が、エネルギーの利用効率が高い省エネ技術として広まりつつある。加えて、排気に含まれる二酸化炭素をも有効に使う「トリジェネレーションシステム」と呼ばれる仕組みも注目され始めた。
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EV用急速充電、早くも戦国時代 テスラが独自規格推進
電気自動車(EV)向け急速充電技術の規格を巡って、国際的な主導権争いが活発化している。同規格では、トヨタ自動車や日産自動車など日本の大手自動車メーカーなどが手掛ける「CHAdeMO(チャデモ)」が世界標準を目指して先行していたが、2012年5月に、欧米の大手自動車メーカー8社が「SAE Combo…
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電力自由化がつまずいた理由――新電力、わずか「3.5%」
経済産業省の電力システム改革専門委員会の議論が大詰めを迎えている。委員会が2012年7月にまとめた「基本方針」に基づいて、同12月までに経済産業省が提示した政策の具体案の検証作業が進んでいる。2013年1月の委員会では、発電部門から送配電部門を中立化する発送電分離を、送電部門を子会社化して電力会社…
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カギ握るビッグデータ――「生活の質」高めるサービスに生かせ
「スマートシティで求められるサービスは何か」――。こうした問題意識が、スマートシティに取り組む企業の間に広がっている。背景には、スマートシティが目指す方向が最先端の技術や機器の導入ではなく、「一人ひとりが日々、豊かに暮らせ、快活に働ける場所を作り出すことだ」という考え方が浸透してきたことがある。
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スーパーの屋根を発電所に メガソーラー構想が始動
2012年7月に再生可能エネルギーの全量買い取り制度が始まったのを受け、各地で「メガソーラー(大規模太陽光発電所)」が建設されている。太陽光発電は、買い取り価格が高い上に工期が短いため、他の再生可能エネルギーに比べて投資対象になりやすい。特にメガソーラーに投資が集中している。
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10大ニュースから読む、スマートシティ2013年の展望
前進に不可欠な「シティイノベーション」
新しい産業として大きなポテンシャルを持つスマートシティは、2012年、産業化に向けて大きく進展した。日経BPクリーンテック研究所ではスマートシティに関する動向を本コラムで紹介してきた。2012年の動きを10大ニュースの体裁でまとめたのが表1である。そして2013年はどのような方向に向かうのか。実証…
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日本の家電復活 切り札は電力の「自動需給応答」
横浜市港北区、東急東横線・大倉山駅から5分ほど歩くと、緑の木々に囲まれた真新しいマンションが目に入る。三井不動産レジデンシャルが開発・販売する「パークホームズ大倉山」だ。全177戸、2012年9月初旬に竣工した。
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復活なるか、三輪車――手軽さ武器にEV市場攻める
三輪車両は現状ではモビリティ(移動手段)として非常にニッチな存在だ。ところが、小型・低速の電気自動車(EV)として将来的にメジャーな存在になる可能性が出てきた。
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「賢い電力利用」動き出す――料金変化に即応してコスト削減
日本の原子力政策が不透明さを増し、電力の需給ひっ迫と電気料金の値上げ圧力が高まる中で、工場やビルといった事業所で、電力需要のピークをシフトさせる試みが活発化している。
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夢物語から実際の導入へ――街づくりの課題は市民目線の技術活用
「横浜市も、一般家庭に家庭内エネルギー管理システム(HEMS)を導入するなど、エネルギー管理システム(EMS)の確立に取り組んでいる」。横浜市の林文子市長は、スマートシティをテーマにした国際会議&展示会「Smart City Week 2012」(日経BP社が2012年10月29日~11月2日に開…
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インフラ輸出への一歩――アジアに向けた横浜市の取り組み
自治体のスマートシティ実証実験の大きな目的の一つは、「インフラ輸出」である。しかし、この分野の競争は厳しい。インフラ輸出は、欧米に加えて韓国なども国を挙げてしのぎを削っているからだ。
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スマートシティ成功のカギは「全体的アプローチ」
スマートシティを構築するための新たなアプローチが注目を集め始めた。成功の要素は「スマートメーター」や「スマートグリッド」に加え、「全体的アプローチ」や新サービスが大きなカギになってきた。スマートシティのあり方を議論する国際会議「Smart City Week 2012」(2012年10月29日から…
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EVの祭典で見た「光」――普及モードに入るための条件
次世代のクルマとして期待される電気自動車(EV)。市販車としての普及は遅々として進んでいないが、2012年10月20日に茨城県の筑波サーキットで開催された「日本EVフェスティバル」(主催:日本EVクラブ)では、近い将来におけるEVの普及を予感させる動きがあった。
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ローテクでも「高い創造性」を 貧困層市場攻略の要諦
日本の製造業は高い技術力・品質には定評があるものの、グローバル市場では苦戦を強いられている企業が多い。中でも今後の伸びが期待される新興国のBOP(ベース・オブ・ピラミッド)市場では、存在感が薄い。日本企業はBOPビジネスにどう取り組んだらよいのか。国連で途上国向けの開発事業に携わり、それに限界を感…