
クリーンテック世界動向
目次
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問われる情報発信力――スマートシティは市民に響くか
スマートシティのビジネス環境が大きく変わり始めた。新興国での巨大開発プロジェクトを狙う形から、先進国を含めた各地域の特色を生かした経済成長力をいかに持続可能にするかという、よりリアリティの高い実ビジネスとしての色合いが強まっている。そこでは、各国・各都市が今、何に取り組み、どんな成果を出しているの…
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スマートシティの成否は「市民の手」に
スマートシティを巡る取り組みは、これまでのビジョンを語る段階から、より具体的に実生活にかかわるサービスの提供と、それを継続するためのビジネスモデルの確立を急ぐ段階へと変わってきた。サービスの対象も、エネルギー分野に限らず、交通や医療・健康、教育などと幅が広がっている。仏パリ市長や米ニューヨーク市な…
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排水処理法「ジャリッコ」は新興国に受け入れられるか
「ジャリッコ」というユニークな名前の排水処理方式の導入が新興国のある村で検討されている。ジャリッコは、アクアテック社代表取締役社長の衛藤俊司氏が20年以上前に開発した排水処理方法で、汚泥が出ないという特徴がある。
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日立が風力発電に本格参入のワケ、洋上風力に強み
日立製作所による富士重工業・風力発電部門の買収が完了した2012年7月1日。数十人の技術者が、通い慣れた宇都宮市にある富士重工の工場を離れ、茨城県日立市にある日立の埠頭工場で勤務し始めた。
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「サービス」の視点でスマートシティを見直す
スマートシティの事業はこれまで、再生可能エネルギーの発電設備や管理システムといったハードウエアを売ったり整備したりという観点で主に議論されてきた。しかしここに来て、サービスの視点で見直そうという動きが出てきた。既に米国や欧州では活発になっており、日本でも動きが加速し始めた。
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中国山東省で「低速EV」産業のダイナミズムを見てきた
同省の省都・済南市で、低速EVの展示と即売に特化したイベント「中国(済南)国際新エネルギー自動車、電気自動車および部品展覧会」が2012年8月18日から3日間にわたって開催された。これを機に筆者は現地に赴き、低速EVの技術や市場動向について調査してきた。ごく一部ではあるが、そのエッセンスをご紹介し…
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インドネシアの「BOP層」に電気と水をどう届けるか
日立ハイテクノロジーズは、インドネシアにおけるBOP(ベース・オブ・ピラミッド、世界人口のうち40億人を占めるといわれる所得上の底辺層)市場に向けた電力、水、通信設備などのインフラ事業を展開している。無電化村に、太陽光発電と浄水設備の併用システムや海水淡水化システム、IP電話システムなどを導入すると…
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「空気が読めるシステム」を、半導体産業研究所が考えたスマート社会
半導体メーカーの業界団体である半導体産業研究所(SIRIJ)が、人々の生活を快適にする「スマート社会」に向けた新しいビジョンをまとめた。
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節電協力でポイントもらえるサービス登場、その「原資」はどこに
夏の電力不足は、もはや常態化したと言っていいだろう。日本は以前から「省エネ」に取り組んできているが、それをさらに深化させる必要性に迫られている。中でも今、課題になっているのは、一般家庭にどうやって節電や最大電力需要のシフト(ピークシフト)に取り組んでもらうかである。
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スマートシティに流れる「広告」の威力
世界各地で構築プロジェクトが進んでいる「スマートシティ」。そのポイントの一つが、街の中の人や機器をIT(情報技術)で密接に結びつけることである。
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ビッグデータを支える「センサー」に落とし穴、今こそ知恵絞る時
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「超小型車」成功のヒントは中国にあり
電気自動車(EV)を想定し、国土交通省が規格の策定を進めている「超小型モビリティ」(超小型車)。その成功のヒントは、小型EVの普及が進む中国にどうやらありそうだ。
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サービスイノベーションは“D2D”が起こす
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スマートシティのサービス市場は1000兆円規模に、モビリティーや医療分野が拡大
全世界で進行する環境配慮型都市「スマートシティ」のプロジェクトによって、新たなサービスが生まれつつある。例えばスマートメーターやスマートグリッドの整備が進むと、供給側から需要調整をうながすデマンドレスポンス・サービスや、リアルタイムの節電アドバイスといったサービスが生まれる。電気自動車(EV)が普及…
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好調のカーシェアに迫る伏兵、欧州で台頭の「ライドシェア」とは
新興国の所得水準が上がってクルマの所有意欲が高まる一方で、モータリゼーションが進んで成熟した先進国では「所有しない使い方」へのシフトが急速に進みつつある。消費者や企業は、自らの利用方法に合わせてリース、レンタル、シェアリングといった形態をうまく使い分けるようになった。
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次は「スマートビレッジ」がやってくる
農村や漁村の仕事をIT(情報技術)によって効率化し、地域経済の活性化や再生可能エネルギーの導入を進める――。こうした「スマートビレッジ」という考え方に今、熱い視線が注がれている。
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電力料金が毎日変わるダイナミック・プライシング、生活にどう影響
「明日の午後1時から4時にかけて、特に電気代が高くなるんだって! 家にいるとエアコンやテレビでお金がかかるよなあ。よし、皆で涼しいところに出かけちゃおうか」――。こんな暮らし方が定着するかどうかを確かめる実験が、北九州市でこのほど始まった(写真1)。「北九州スマートコミュニティ創造事業」の一環として…
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燃料電池よ、お前もか -- 「エネファーム」好調の先に潜むワナ
燃料電池が太陽電池の二の舞に――。そんな危機感を抱かせるような状況が、燃料電池の分野で起こりつつある。燃料電池の技術開発で、日本のメーカーは世界をリードしてきた。その成果を事業化するため、「エネファーム」に代表される家庭用燃料電池を普及させようと懸命な努力を続けている。しかし日本がそうしている間に、…
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「2020年に200万台」の中国・新エネ車市場、早くも争奪戦
過去最高の約80万人の来場者を集めた北京モーターショー(AutoChina2012、2012年4月23日~5月2日)。会場には、多くの電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHVまたはPHEV)などの新エネルギー車が顔をそろえた。特に力を入れていたのが中国メーカーである。大手国有から民間企業…
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世界への突破口になるか、福島沖の「浮体式洋上風力」
福島県の沖合約20kmの太平洋上に、2013年以降、巨大な風力発電設備が次々とお目見えする。東日本大震災で事故のあった東京電力福島第1原子力発電所からも30kmほどの距離になる。まず、2013年に2000kW、2014年に7000kW、2015年には数千kWクラスの風車を順次、設置する。総事業費は1…