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 下図のようにわが国の輸出依存度は他国と比較して低い。隣の韓国は2000年代に入り、輸出を大幅に伸ばし、経済成長を実現している。我々には韓国から学ぶところが多々あると考えている(例えば、韓国は、法人税減税/政府融資など輸出振興/投資促進政策を強力に進めている)。

 このような中で、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築に取り組むことを明確に打ち出したことも大きく評価できる(TPPに参加できるかどうかが現実的なハードルとしてある。なんとしてもTPP参加やEPA/FTAを進めなければならない)。

我が国の輸出依存度は低い
出典:IMF、内閣府「国民経済計算」
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デマンドサイドもサプライサイドも両方重要だ!

 次に、デマンド(需要)とサプライ(供給)の一方だけに政策が偏らないことも重要である。グリーンイノベーション(環境エネルギー)、ライフイノベーション(介護医療(健康))、科学技術・情報通信など多くの分野での需要と供給を作り出そうとしている。

 この時の一番重要なことは「イノベーション」を起こすことである。現在、日本企業は国内に投資しなくなっている。投資がどんどん海外にシフトしているのだ。特に円高基調にある中、中小企業もこのチャンスを生かすべく海外に投資をしている。

 国内に投資を起こし、雇用を作るには「日本でしか実現できない新しいサービスや製品を生み出す」しかなく、これこそがイノベーションである。新成長戦略では、「科学・技術・イノベーション」分野で官民の研究開発投資の目標がGDP比4%以上とする目標が定められている。現在、第4期の科学技術基本計画が議論されているが、私は政府の研究開発をGDP比1%にすべきであると成長戦略PTを通じて政府に申し入れている。これが実現できれば科学技術予算が約5兆円となる。

日本企業による海外への投資は増加。他方で国内への投資は停滞
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「制度創造」による経済成長を

 労働力が減少する中で年率2%を上回る実質経済成長を実現するには、2%以上の資本充実と生産性向上を実現する必要がある。また、近い将来に付加価値が高い外国人労働者の受け入れを行うことが必要である。

 生産性向上のためには研究開発に投資を行い、新しい資本充実(投資)を生み出すためにイノベーション進めなければならない。私は、イノベーションを創造する規制変更を「規制緩和」ではなく「制度創造」と呼んでいる。

 新成長戦略は21分野の国家プロジェクトを強力に推進するが、例えば、前述の研究開発費の増加などプロジェクトを進めるには膨大な予算が必要となる。この裏づけが十分にはできていない。従って、私は予算の裏づけが必要ない「制度創造」から強力に進めるべきであると提言している。

 特に医療、環境エネルギー分野においては、多くの規制が新しいビジネスを抑えている。これらの分野では「予算ではなく制度創造」によりイノベーションを惹起できる。

 そして、新成長戦略では多くが中長期の項目になっているが、短期的に景気を立て直すための制度創造を明確に示し、実現することが求められる。