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復旧では意味がない「コンビナートの新生」を

 現在、企業と政府が協力して早急な復旧が進められている。しかしながら、災害前の「旧」に戻す「復」する「復旧」でいいのであろうか。私はこの機に最先端のコンビナートを「新生」すること必要だと主張しており、是非とも実現しようと考えている。

 私は、国会議員20名程度からなる「化学産業の未来を考える会」の事務局長をやっており、コンビナートめぐりが趣味である。ただ、わが国のコンビナートを見て感じるのは「その設計の古さ」である。

より深い港を

 例えば、多くのコンビナートは、貨物船舶がまだ小さな時代(パナマ運河が狭い時代)に作られたため、港が浅い。つまり小さな船しか接岸できないのである。また、上海港の埠頭は30メートル以上の深度になっているという。わが国は20メートルの深度もないコンビナートがいくつもある。

 今回の震災で港は浅くなっている。どうせ掘り返すならば25メートルくらいにまで掘り、同時に大きな貨物船が接岸できるインフラまで整備すべきである。

世界一の省エネをめざして

 また、重要なことは「省エネ」だ。電力供給不足や電源の不安定化がある中で、「圧倒的な国際競争力を有するコンビナート」を再構築することだ。石油化学産業は、安い原料を使った中東や大規模化を図る中国の脅威にさらされている。この機に最先端の省エネ技術を集約し、世界の省エネモデルとなるようなコンビナートを作れないかと考えている。

 おそらく民間企業だけでは負担できない投資となるであろうから、政府の補助金や税制支援を大規模に行い、実現したい。その際、当然、地域の排熱利用、風力発電や太陽光発電といった分散電源も導入することが必要となる。また、CO2の原料利用(エチレンカーボネート:リチウムイオン電池の電解液材料)、人工光合成の実用化に向けた取り組みの加速(海藻利用や光触媒)、在来型化石燃料(石炭ガス化複合発電等)のCO2利用も含めた高度利用なども新生コンビナートで行うべきだ。

コンビナートの広域的連携の構築

 石油化学産業は、生産規模の拡大と企業間の連携が必要だと言われ続けている。しかし、今回の震災からリスク分散の必要性が指摘されている中、日本全体の競争力を意識しつつ、コンビナートの広域連携を行い、海外市場とのアクセスも含めてトータルに設計すべきである。

 具体的には、大分や泉北までも含めた瀬戸内(水島、周南、これに岩国大竹や四国の新居浜もふくまれる)地域、さらに対極東ビジネスを視野に入れた山陰地域でのコンビナートの総合的な連携を構築すべきである。これは政府が主導しなければ実現しない。

 現在、政治家も役所も目先への対応に追われている。このような時こそ遠くを見て走らなければならない。