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企業誘致はアジアとの競争だ!

 一方、ゴールデンウィークに台湾を訪問した。前々回の当コラムでも紹介したが、台湾の企業誘致策は日本のそれとは比較にならない。例えば、サイエンスパークに立地した場合には、「利益が出てから5年間」は免税の措置をとっている。日本でも沖縄名護の特区では似たような免税制度があるが、その期限は会社設立時点からカウントされている。一方で、台湾のサイエンスパークでは、会社を設立してからではなく、利益が出始めて5年間は税金を支払わなくてよい。優遇税制の他にも、研究費支援、政府出資、低利融資などの公的支援がある。

 そして最近、韓国・大邱地域(釜山の北)の産業誘致策も説明を受けた。下表にあるように「5年間法人税なし」など、日本の誘致政策とは比較にならない優遇措置がある。特に雇用補助金はいい政策だと思う。やはり地元に雇用を生む企業の立地が重要である。

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 日本政府は、被災地に企業投資を呼び込むために、これらの優遇策を凌駕する政策を行わなければならない。そうしなければ、経営者は「被災地に投資をすることを株主に説明できない」だろう。

紙工場の新生を

 そして大事なのは、被災前の状況に戻す「復旧」では意味がないということ。繰り返し当コラムで述べることになるが、この機に新しい事業を生み出す「新生」が必要なのだ。例えば、

■災害廃棄物のうち、木材(バイオマス)を活用した取組

 今、瓦礫の処理が大きな課題となっているが、木材瓦礫処理を製紙産業が進められないかを検討したい。膨大な建築廃材のうち、木材については、塩抜きさえすれば貴重な資源になり得る。紙の資源として活用できるだけでなく、紙工場はバイオマス自家発電設備を多く有しているので、再生可能エネルギーとしてかなりの量の木材チップを利用できる。ただ建設廃材の塩抜きについては、まとまった設備投資が必要となる可能性が高い。環境省の樋高政務官と相談し、環境省と経済産業省が連携して進めるようにしたいと考えている。

■省エネへの対応

 製紙産業はエネルギー多消費産業の一つであるが、自家発電設備の有効利用によって、エネルギー供給の効率を高められる。そのために具体的に考えられる取り組みとしては、

・省エネ設備の導入(熱回収設備、高露点フードの導入、インバータ化など)
・高効率設備の導入(高温高圧回収ボイラ、タービン効率改善、高効率洗浄装置、低差圧クリーナー、高効率照明など)
・工程の見直し(工程短縮、統合)
・再生可能エネルギー(黒液、廃材など)

がある。これらの最新の取り組みを政府が支援して進め、世界でも最先端の製紙工場を東北につくならければならない。そうしなければわが国の製紙産業は世界で戦うことはできないであろう。