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プロダクト・アウトからマーケット・インへ

 中国マーケットで売っている日本製品はおさがりか三流。そう思う中国人観光客が大挙して日本の秋葉原にやってきて、メイド・イン・ジャパンまたはソルド・イン・ジャパン(sold in Japan)を買う。喜ばしいことのように見えるが、実はそこに落とし穴がある。

 なぜなら、前述した私の友人のように、中国人観光客は日本で購入した製品を自国に持ち帰って、自国マーケットで売っている日本製品と比べることができるようになったからだ。そして、品質や価格の差から日本への失望が増幅し、日本の信用がどんどん低下していく。

 つまり、秋葉原で中国人観光客を相手に、日本製品が売れるほど、中国マーケットでの日本製品が売れなくなるのかもしれない。もちろん、「中国で売っている製品は秋葉原で売っているものとまったく同じだ」と、胸を張って言えるのならまったく問題ないのだが。

 表2は「ブランド・チャイナ2011」の調査結果から、5つある評価因子の中の「信用力」因子について、日系企業上位の順位をピックアップしたもの。ソニーやパナソニックよりも、日本ではあまり知られていない「日本ペイント」という企業が上位にきている。環境意識が高まっている中国マーケットに合わせたマーケティング戦略が功を奏でた結果と思われる。

表2 ブランド・チャイナ2011 評価因子別ランキング
タイトル

 1980年代に中国へ進出した日本メーカーは、例えおさがりであっても、日本製品をそのまま中国市場に輸出することで、顧客の「獲得」に成功したと思う。それはそれで、当時の中国マーケットに合った戦略だったかもしれない。しかし、これからは、顧客の「維持」や顧客の「育成」という次の課題が重要になってくる。

 プロダクト・アウトからマーケット・インへの方針転換が、日本メーカーが中国マーケットで生き残る唯一の道である。