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「超認識」と「超アイデア」を活用する組織

 前編で紹介した「山寨革命」では、「新しい社会=山寨社会」を優秀な組織に属さない人びとがフラットに緩やかにネットワークで繋がり、そうしたフラット化した社会が旧来のピラミッド型の社会に置き換わるという興味深い議論が展開されています。その例としてグーグルやLinuxを開発したリーナス氏とその共同体等などが挙げられています。

 私はこれをもう少し推し進めてみたいと思っています。何度も引き合いに出しましたが、アップルは大きな、ピラミッド型の企業統治が徹底された営利組織ですが、その製品は熱烈なファンを初めとして社会に広く受け入れられています。

 これは企業の形態よりも、個人としてのプロフェッショナルな人材をどこまで有効活用しているか、新しい超アイデアをどう生み育てて育んでいくのかという問題ではないかと考えています。ここをうまく乗り越えられれは、フラットな組織かピラミッド型組織かというような企業の形態に関わらず、そこから「超認識のカベ」と「超アイデアのカベ」を乗り越えた新しいビジョンに沿ったビジネスを生み出すことができるよい例だと思っています。

 グーグルにしてもマイクロソフトにしても、組織形態が違ってもいかに有能な人材を活用するかという同じ論理が働いていると思うのです。むしろ山寨社会よりもビジョナリーなトップがいるピラミッド型の組織の方が有能な人材を集めるには適しているかもしれません。いずれにしてもプロフェッショナルな個人の力を発揮させて、超認識と超アイデアを活用することが組織にとって合理的であるし、組織が進化していくには必須であると考えています。

 このように、従来のビジネスの仕組みを単に直線的に発展させるのではなく、むしろ、これらの新しい問題を自ら設定し解いていくという力を個人が身につけ、次に組織がその力を有効に活用することが、新しいブレークスルーを可能にするのではないでしょうか。この一見地道な方法以外には特効薬はなかなかあり得ないと思います。

 そして、そのような自立・自律したプロフェッショナルな個人の組織を重要視できず、「超認識力」や「超アイデア力」の活用から逸脱した個人や企業はこれからの発展からは脱落するしかない、そんな世の中が到来しているとさえ感じています。

 単に見えているカベを乗り越えるのではなく、新しい企業像、そして個人像に向けてこの「5つのカベ」を乗り越えるときが、その新しいチャンスが今私たちのもとにきているように思います。すべては、それを認識できるかどうかにかかっているのです。

生島大嗣(いくしま かずし)
アイキットソリューションズ代表
大手電機メーカーで映像機器、液晶表示装置などの研究開発、情報システムに関する企画や開発に取り組み、様々な経験を積んだ後、独立。「成長を目指す企業を応援する」を軸に、グローバル企業から中小・ベンチャー企業まで、成長意欲のある企業にイノベーティブな成長戦略を中心としたコンサルティングを行っている。多数のクライアント企業の新事業創出/新製品企画・開発等の指導やプロジェクトに関わる一方、公的機関等のアドバイザ、コーディネータ、大学講師等を歴任。MBA的な視点ではなく、工学出身の独自視点での分かりやすい言葉で気付きを促す指導に定評がある。経営・技術戦略に関するコンサルティングとともに、講演・セミナー等の講師としても活躍中。