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「オンリーワンの創造性を発揮するにはどうすれば良いのか?」
「創造的な社員を育成するにはどのようなトレーニングが必要か?」

 技術開発のみならず、あらゆるビジネスの場面でいかにして創造性を発揮するかが重要になっています。グローバル化が進んだ現代では、人件費が安い中国やベトナム、インドに仕事が次々に移転され、日本で行う仕事には創造性を発揮した高い付加価値による差異化が必要とされています。こういった状況をダニエル・ピンクは著書「ハイコンセプト」の中で、現代は情報化社会(第3の波)に続く新しい大きなうねり(第4の波)が訪れていると表現しています。

 産業の変遷を振り返ってみると、18世紀までは農夫が主体の「農業の時代」(第1の波)でした。19世紀には産業革命をきっかけに工業労働者が主体の「工業の時代」(第2の波)に移りました。「工業の時代」では巨大工場や効率的な流れ作業により、経済は活況を呈しました。第2の波の主役は、大量生産の工場で働く労働者でした。この時代に人に必要とされる特徴は、強靭な体力と単純な労働に耐えられる精神力でした。そして、20世紀に始まったのは、「情報の時代」です。アルビン・トフラーは情報化社会の出現を、ベストセラーの著書のタイトル「第三の波」と名付けました。情報化社会の主役はIT技術者・医者・教師などの知識労働者です。

 しかし、エレクトロニクスの急速な進歩により、知識労働者の仕事は急速にコンピュータやインターネット、ロボットなどに取って代わられつつあります。また、インドや中国などの台頭、グローバル化が更に先進国から知識労働を奪いつつあります。米国など英語圏では、顧客からの注文を受けたり、製品サポートを行うコールセンターはインドなど、より人件費が安い国にアウトソーシングされています。インドのコールセンターの従業員は、アメリカの顧客との商談のために、日々アメリカンフットボールの勝敗を勉強しているという話があるくらいです。日本は日本語という言葉の壁があるために変化のスピードは比較的ゆっくりしたものです。ただ、中国などで日本語を学ぶ人が増えてきていることを考えると、海外へのアウトソーシングの波は、やがて日本にも訪れることでしょう。

 対人の接触が必要とされてきた医療や教育も例外ではありません。インターネットを使った遠隔医療が始まることで、途上国の人達も先進国の医者の高度な診察を受けられるようになりつつあります。また、教育面では、特に大学や大学院などの専門教育は、米国のMITやスタンフォード大学のように積極的に講義をYouTubeなどのWeb媒体を用いて発信する時代になりました。私のような日本の大学の教員は、インターネットで提供される世界の一流の講義と比較して、自らの講義の付加価値が何なのか、厳しく問われています。

 更に、全国紙の発行部数の減少が伝えられているように、新聞や放送局といったマスメディアも厳しい状況に置かれています。世の中で起こっている出来事は、通信社が提供するホームページで無料で知ることができます。また、社会で起こっていることの解釈や分析といった2次情報も、その分野の専門家がブログやツイッターを用いて、無料で発信しているものが多くあります。このコラムも無料で見られますよね。このように多くの情報が無料で発信される中、既存のメディアは、読者があえてお金を払うコンテンツを提供しているのかが、問われています。

 さて、情報化社会に続く「第4の波」とはダニエル・ピンクによると、「コンセプトの時代」です。既成概念にとらわれずに新しい視点から物事をとらえ、新しい意味を与えていく。創造性を発揮し、他人と共感できる能力が必要とされています。「情報の時代」が合理性や知識が重視された「論理をつかさどる左脳」の時代とすると、「コンセプトの時代」は「直観力に優れた右脳と、合理的な左脳のバランス」の時代とも言えるでしょう。芸術的な素養、といってもいいかもしれません。