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 特にSTMicroelectronics社とRobert Bosch社は、8インチ(200mm)ウエハーに対応した製造工場や積極的なダイサイズの縮小によって、このトレンドから十分な利益を得て、共に2億米ドルもの収益を積み増した。Bosch社は、自動車市場の回復と新興国市場で高度な車載用MEMSデバイスに対する需要が増え続けたこと、そして携帯電話とタブレット端末向けに同社の3軸加速度センサの需要が大きかったことにより、売上高を43%増の6億3700万米ドルとした。また、STMicroelectronics社は主力製品を加速度センサからジャイロセンサにまで拡大し、スマートフォンに使用されるすべてのMEMS部品を供給することを目指してマイクロフォンや圧力センサ、磁気センサも供給し、さらには他企業との提携を通じて極限環境での使用を想定したMEMSベースのIDタグやピコ・プロジェクターにまで手を広げた。その結果、売上高を49%増の約6億米ドルとした。

MEMSファウンドリ6社の売上高が3000万米ルを超えた

 こういったMEMS産業のトレンドはMEMSファウンドリにも影響を及ぼした。一部の商品に特化しているサプライヤーは自動車や民生部門でのチャンスの多くを逸し、部門全体で10%程度の成長に留まった。しかし、適切な製品を持った企業にとっては当たり年だったといえる。Silex Microsystems社は売り上げを85%伸ばして3700万米ドルとし、一つの業種に専念している独立系のファウンドリとしては最大となった。同社が持つVia First法による高度にドープされたTSV(through-silicon via)の技術の需要が高まったことが主な理由だ。台湾Asia Pacific Microsystems社は売上げを60%ほども増加させ、ファウンドリの4番手に浮上した。そして現在、6社のMEMSファウンドリが年間で3000万米ドル以上ものビジネスを手がけるようになっている。それでも、STMicroelectronics社は2億米ドルを超える収益があり、ファウンドリ市場全体で35%以上のシェアを持ち、依然としてこのセグメントで支配的なポジションを維持している。

 専門性の高いファウンドリは量産型の民生機器に関するビジネスの機会を得ていないかもしれないが、その分野に存在する(利ざやの)値下げ圧力を避けられてもいる。生体医学や光学、電気通信といった彼らが専門とする分野では、彼らが提供するカスタマイズ可能なサービスや独自の技術によって十分な利幅を維持することができる。

 しかし、大きな変化がMEMSファウンドリ市場に現れ始めている。量産型の半導体産業から多くの企業が参入してくるためだ。この新しいトレンドの初めの兆候は2010年度の決算に表れてきている。TSMC社がMEMS関連の収益をほぼ2倍の2000万米ドルに増やし、規模的には中級の専門性の高いMEMSファウンドリと肩を並べた。半導体産業のファウンドリであるXFab社や Jazz Semiconductor社、UMC社もMEMSビジネスを堅調に成長させている。