
エディターズ・ノート
目次
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マルチバンド/マルチモードのスマートフォン
2011年9月下旬から1カ月ほどの間、スマートフォン関連の大きな発表が相次ぎました。KDDI、ソフトバンクモバイル、NTTドコモの国内大手携帯電話事業者3社が冬・春モデルを発表し、米Apple社は「iPhone」の新型機、米Google社は「Android」の新版を発表しました。こうした発表を受けて…
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80年代に大ブームになったあの技術が画期的な太陽電池に?
日経エレクトロニクスの2011年10月17日号の特集「太陽電池、サバイバル」では、既存の太陽電池技術が急速にコモディティ化する中、そこから抜け出すための、超高効率・超低コストを目指した太陽電池技術群について紹介しています。それらは例えば、これまでせいぜい30~40%しか使えなかった太陽光エネルギーの…
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「電機A社」のモジュラーデザイン
2011年10月28日に、日経ものづくりから『実践 モジュラーデザイン 改訂版』(日野三十四著)という本を出版する。改訂版が出る本はそうそうないと思うので、編集に携わった人間として非常に嬉しい。改訂版を出せたのは、初版発行時よりもモジュラーデザイン(MD)への関心や、MDを採用する動きが増えている…
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原発事故とHALT
「これって、原発事故の問題に似ていると思いませんか」――。新しい試験技術「HALT(highly accelerated life test)」について取材した際、取材先の方々からこんな話を聞きました。原発はある基準を想定して造られていますが、想定を超える事態が発生した時に何が起きるかは十分に把握さ…
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9速の自動変速機を造ったZFが変える、競争の形
「えっ9速、そんなの意味あるんですか」。何人かから質問を受けた。既に世の中には8速の自動変速機(AT)がある。3速が4速になった頃には「すげえ」と思ったものだが、1速増えたありがたみは、昔ほどではない…ようにみえる。
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Steve Jobs氏の死去:シリコンバレーに驚きと悲しみ広がる
その日、シリコンバレーの空は雲が多く、そして雨も降っていた。「天も悲しんでいる」。そんな声がどこからか聞こえてきた――。2011年10月5日、米Apple社の前CEOであるSteve Jobs氏が死去したというニュースは、米シリコンバレー地域の人々に、大きな衝撃とともに伝わった。
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EVとPHEVは花盛り、FCVは?
1カ月ほど前になりますが、「フランクフルト・モーターショー」を取材してきました。広い会場には89台に上った世界初披露車が展示され、多くの来場者で賑わっていました。主催者のドイツ自動車工業会によると、2011年9月15日の一般公開日初日から同25日の最終日までの累計入場者数は、92万8000人に到達。…
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厳しい状況の太陽電池業界
2011年9月上旬にドイツで開催された太陽電池の展示会「EU PVSEC」では、イスや机を設置した「休憩スペース」の数が例年よりも多いように感じました。ある出展者に聞くと、「倒産などによる急な出展取りやめが相次いで、休憩スペースが増えたのではないか」との答えが。そうです、今、太陽電池業界は需給バラン…
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品質とコストのバランスを考える
少し前になりますが、ある金属部品加工業者を取材した時のことです。「今後は、ある程度の数を量産する技術を身に付けていきたい」と、そのメーカーの社長が今後の展望を語ってくれました。この会社は、非常に高精度な加工を得意としており、そのレベルは切削加工で鏡面を実現できるほど。しかし、「ずば抜けた精度の1品…
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台湾の“スマホ街”を歩く
近く弊誌で予定しているスマートフォン関連の特集に向けた取材のため、台湾・新竹市を訪れました。新竹市は、地元のハイテク企業が一堂に集う「新竹科學工業園區(Hsinchu Science Park)」があることで有名です。今回の取材でも、Science Park内に本社を構える半導体メーカーに足を運びま…
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まだ続くハイブリッド車の進化
先日、同僚と2日連続で新型車の試乗会に参加しました。1日目は国産ハイブリッド車の新モデル、2日目は欧州メーカーのエンジン車の全面改良モデルでした。価格はどちらも同じくらいですが、2日目の試乗を終えて同僚が言った一言が気になりました。
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カンボジアのエレ事情を探ってみた
2011年9月半ばに、日経エレクトロニクスの2011年10月3日号の特集「まだAndroidでいきますか」の執筆を終えた後、シルバーウィーク(と今年は言わないかもしれませんが)を利用して海外へ旅行しました(特集の概要は、中道記者のEditor's Noteや日経エレクトロニクスの関連ページを参照願い…
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CAEツール使ってますか?
私が記者になって製造業系ITツール周りを取材し始めた十数年前、「設計者向けCAE」という言葉が流行っていました。ちょうど3次元CADが普及し始め、そのデータの活用先の一つとしてCAEが注目されていたからです。当時は解析は解析専任者に任せるのが主流で、CAEツールを扱える設計者は限られていました。
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アレを分解しました
昨日(2011年10月4日)からCEATECが始まり、その多数のニュースに埋もれそうな当ブログですが、CEATEC会期中も休むことなくがんばって(?)連載していきます。さて、思わせぶりなタイトルですが、要は日経エレクトロニクス10月3日号で担当した記事の紹介です。手前味噌で、すみません。お時間がない…
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国内生産にこだわるのは常に善か
やや旧聞に属しますが、フランクフルトモーターショーに行ってきました。信用不安に揺れる欧州ですが、モーターショーの会場は、そんなことを微塵も感じさせない豪華さと華やかさ。特に度肝を抜かれたのが、屋内のブースをクルマが走り回っていること。ドイツBMW社や同Audi社はブースの周囲に短い周回路を設け、B…
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温故知新の特許論
いきなりですが、問題です。次のイラストは、ある特許の明細書に掲載された図。特許になったのは、107年前の1904年11月15日です。日本では、日露戦争真っ只中。急ピッチで西欧列強に追い付こうとしていた『坂の上の雲』の時代です。さて、何の特許か、誰の特許か、分かるでしょうか。
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Googleは“Evil”か?
「Don't be evil.(邪悪になるな)」。ご存じのように、このフレーズは米Google社の社是の一つです。しかし、10月3日号の特集「まだAndroidでいきますか」の取材を通じ、そのGoogle社の経営陣はかなり“Evil”な人たちなのではないかと、感じる瞬間がありました。
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日本には、生産技術がある
トヨタ自動車、コマツ、東芝、OKI、ホンダエンジニアリング、東洋ゴム工業、セイコーエプソンが、革新的な生産技術を生み出しています。生産規模が小さくても利益が出せるライン、成熟した基本技術でありながら一層効率を高めた設備、海外EMS企業では不可能な品質を保証する手法、他社ができないデザイン品質を世界最…