
エディターズ・ノート
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モノの健康診断
今号の特集記事を読んでいてドキリとしました(記事)。「ヘルスモニタリング」という言葉遣いに行き当たったからです。インフラ電装化の記事で、なぜ人の話が出てくるのか。そう思ったら、建物の健康診断という意味でした。英語圏では自然に聞こえる表現なのかもしれませんが、人工物を擬人化する言いように違和感が残りま…
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日本では「ストロングHEV」の人気が続いているが48Vにも注目
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2014年12月4日に発表した11月の車名別新車販売台数によると、トヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)「アクア」が2カ月連続で首位となりました。
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「土木」と「人にやさしいエレクトロニクス技術」
私は高校生のときコンピューター関連の仕事を志し、大学では情報工学系の学科に進学しました。そして大学3年生まで各種言語や認識工学、計画工学、システム工学といった情報工学系の学問をひと通り学びました。そして4年生になって師事したのが橋梁工学の教授です。
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偶然の発見が成功の鍵に、セレンディピティーから生まれた機能性繊維
何かを探したり研究したりするときに、別の価値あるものを発見してそれが成功につながることがある。このように偶然の出来事から価値あるものを発見する能力のことを「セレンディピティー」と呼ぶ。自然科学において、こうしたセレンディピティーの例は数多く知られており、ペニシリンを発見したアレクサンダー・フレミン…
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自動車産業にとって「Googleは怖くない」
米Google社が開発する自動運転車に注目が集まっています。同社が目指す、無人で走れる自動運転車が実現すると、既存の自動車ビジネスが崩れる可能性があると指摘する声は多く、業界では「Google脅威論」が飛び交います。
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八百万の神とIoT
草花が踊り、壺が歌い出す――。ディズニーのアニメ映画には、そんな場面がよく出てきます。近い将来、空想にとどまらず、現実世界にやってくるのではないか。そんな感覚を今持っています。
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接合技術と3Dプリンター
「日経ものづくり」2014年8月号の異種材料接合技術の特集「何でもくっつける」では、いわゆるカコミ記事として3Dプリンターの解説をN副編集長に書いてもらいました。3Dプリンターには、2つ以上の材質で造形する技術があり、異なった材料を組み合わせるという点では接合と同様の結果を得られると考えたためです…
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私とみんなを分かつ壁
宇宙の外は、どうなっているのか。人は死んだらどこへ行くのか。子供の頃は、世界を取り巻く果てしない謎に思いを巡らすものです。筆者にとって、そうした疑問の1つが「どこまでが自分なのか」でした。感覚のない爪の先は自分の体と言えるのか。髪の毛は抜けた瞬間に自分ではなくなるのか。食べ物が自分になるのはいつなの…
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クルマの塗装ラインは不要になるのか
先日、ダイハツ工業「コペン」の試乗会に参加して最も驚いたのは、樹脂外板によってフードやフェンダーなどを塗装する工程がオフラインになっているということでした。
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「人のインターネット端末化」が始まる
「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」という言葉が登場してからそれほど時間が経っていませんが、これからは「人のインターネット端末化」が始まりそうです。Internet of Personsなら、IoPでしょうか。そんなこと、前からあるじゃないかと思う人がいるかもしれ…
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そこはまるで半導体工場でした
「ここまで徹底するのか」---これが、先日報道陣向けに公開された東芝の植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」を訪れた際の印象でした。2014年9月30日に稼働を開始したばかりの同工場は、かつてのフロッピーディスク工場のクリーンルーム(CR)を転用して、無農薬・低生菌の野菜を栽培するのが特徴で…
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IoTで得たデータは"新たな天然資源"、それで稼ぐために
記事を書く際、新しい用語には( )を付けて、説明などを加えることが多い。その用語が業界やちまたでよく使われるようになると、( )がなくなる。用語の巣立ちだ。今年、巣立ちとなった用語の1つがIoTである。IoTはInternet of thingの略で、数年前に登場した時には、IoT(Internet…
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出展社も新製品も少ない地味な展示会なのに、「奮って参加しましょう」のなぜ(後編)
なぜ、上長が部下の技術者たちに「ものづくりパートナーフォーラム」に「奮って参加しましょう」と、わざわざ薦めるのでしょうか。その理由を探るべく、前回は説明員に注目。ここでは、「目に見えないもの」を丁寧に説明してくれる説明員がたくさんいることを指摘しました。今回は一方向の「説明」ではなく、双方向の「会…
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偶然と必然
「ビッグデータに切り込む第3のコンピューター」とかけて、「FPGA」と解けた読者は、一体どれくらいいるでしょうか(記事)。私自身、このような分野にFPGAが浸透しつつあるとは、寡聞にして知りませんでした。今号の特集は、日経コンピュータから異動してきた進藤記者の労作です。本誌がしばらく距離を置いていた…
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ダイハツ「ウェイク」はスズキ「ハスラー」対抗?
ダイハツ工業が荷室空間で軽自動車最大となる新型「ウェイク」を発表しました。ミニバンからの乗り換えユーザーの取り込みを意識して、全高を1835mmと高く設計して、レジャー用途でも荷物を多く搭載できることを特徴に掲げています。
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ヒューマノイド不要論
先日、ロボット研究者の東京工業大学名誉教授 広瀬茂男氏の講演をお聞きする機会があった。講演内容は、先日、「『ヒューマノイドの実現は絶望的に困難』、ロボット研究者の東工大・広瀬氏が持論を展開」という記事にまとめたので、そちらをご参照いただきたいのだが、いやはや改めて興味深いご指摘である。
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出展社も新製品も少ない地味な展示会なのに、「奮って参加しましょう」のなぜ(前編)
「16日は『ものづくりパートナーフォーラム』推進日です。皆さん、奮って参加しましょう」。2014年9月某日、ある大手電機メーカーの開発設計部門の技術者たちに、上長からこんなメールが届きました。ここにある『ものづくりパートナーフォーラム』とは、正確には2014年9月12日に大阪マーチャンダイズ・マー…
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「愛を込めた製品」の連載を『日経ものづくり』で始めます
トヨタ自動車取締役社長の豊田章男氏は、2014年3月期の連結決算の発表会(同年6月)で、クルマが「愛車」と呼ばれることにこだわりたいと話しました。その説明の際、指先で空中に「LOVE」とつづりました。「顧客に長く愛される製品を造りたい」というのは技術者の共通の思いでしょう。しかし、何をすればよいの…
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創造主の光
「光あれ」と神は言った。19世紀末にエジソンが実用化した白熱電灯は、世界から夜をなくし、後に続く大量生産と消費の世紀を照らし出した。21世紀の光源はもっと大胆だ。自らを手にした人々を、神の座に押し上げようというのだ─。
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縦列駐車が苦手な方の「救いの神」
今月に入って、先進運転支援システム(ADAS)に関するデモや発表がいくつかありました。まず10月2日にドイツContinental社の日本法人であるコンチネンタル・オートモーティブが千葉県旭市にある同社の「旭テストセンター」で、自動運転の実現に必要なシステムのデモを行いました。2014年内には、日…