
エディターズ・ノート
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急げ、工場のシステムのウイルス対策
近年、USBメモリーを介して感染するコンピュータ・ウイルスが増えています。このため、外部のオープンなネットワークと接続されていない工場の制御システムや検査用機器(検査用のパソコンなど)といえども、ウイルス対策が重要になってきています。中でも、工場のシステムに関して気掛かりな事柄の1つが、工場から出…
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「10年単位」の電力事業はドッグイヤーで走れるか
最近見たテレビ番組で、ある大学のIT系の教授が「日本のネット上に流れる情報量はこの10年間で30倍になったんですよ」と指摘していました。平均すると、1年で40.5%の伸びを続けたことになります。いわゆる「ムーアの法則」では1チップ上のトランジスタ数が1.5年で2倍になるとしていますが、これは年率では…
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大規模モジュール戦略に陥穽はないか
前回のこのコラムでドイツVolkswagen社の新モジュール戦略「MQB」を取り上げた直後に、日産自動車もCMF(Common Module Family)と呼ぶ新しいモジュール戦略を発表しました。
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新興国スマホの分解展示会と新型iPadの分解撮影会を開催します
これまで、日経エレクトロニクスではさまざまな機器を分解し、本誌やTech-On!の記事として紹介してきました。ただ、紙やWebの記事では、伝えられる内容にどうしても限りがあります。読者の方が携わっていらっしゃる仕事によって、分解の中で興味がある箇所も異なるでしょう。一般的な記事ではそうした細かいニー…
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病院ブランドが街にあふれだす?
「国循弁当」をご存じでしょうか? 国循とは、大阪府にある国立循環器病研究センターのこと。循環器を専門とする日本最先端の医療機関・医学研究機関です。つまり国循弁当とは、同機関のブランドで提供しているお弁当のことなのです。給食会社とライセンス契約を結び、2011年末からテスト販売を始めました。
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“坂本さん”とメディア
“坂本さん”のあれほどこわばった表情と声を目の当たりにしたのは、初めてだった――。2012年2月27日午後6時45分、東京証券取引所の一室。DRAMで世界シェア3位のエルピーダメモリの坂本幸雄氏(代表取締役社長 兼 CEO)は、視線を終始下に落としたまま、用意した文面を読み上げました。
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注目の日本みやげが2倍以上の高値《訂正あり》
キットカット〔ネスレ日本(本社神戸市)〕の日本におけるラインナップの異常性については、ご存じの方も多いと思います。諸外国ではせいぜい10種類程度のフレーバーしかないところが、日本国内では200種類に近い(もしかしたら200種類を超える)発売実績があるとみられます。以前、全部数えてみようとして、10…
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「過剰品質」はあったのか
「思っていたよりもずっとまともだな」。日経エレクトロニクス2012年3月5日号で「新興国のスマートフォン、11機種を開けてみた」という解説記事を書きました。冒頭は、この記事で中国製スマートフォンを分解したときの感想です。私は、日経エレクトロニクス2010年9月6日号の「分解で探る『iPadモドキ』の…
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明暗分かれる東北メーカー
東日本大震災からもう少しで1年が経ちます。「日経Automotive Technology」では、この1年間で東北の自動車部品メーカーがどれくらいまで立ち直ってきたのかを調べてきました。実際に東北でお話を伺っていると、私の想像以上に多くのメーカーが着実に復興への歩みを進めています。「タイの洪水がな…
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定置用蓄電システムの価格破壊は起きるのか
住宅のエネルギー管理システムである「HEMS(home energy management system)」。日本では事業化はあまり進んでいませんでしたが、1年前の東日本大震災やその後の計画停電、節電要請などを経て、企業の新規参入が相次いでいます。
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これからは電力制御が分かる技術者が必須に
「どこかいい企業を知りませんか?」――。次世代電力網「スマートグリッド」の話が日本でも少しずつ盛り上がり始めた3年ほど前、ある企業の方から電力制御装置を得意とするメーカーがないかとの相談を受けました。聞けば、家庭用太陽光発電や蓄電池といった、100~400V程度の機器間で電力を双方向にやり取りするた…
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設計者の“意図”を伝えるということ
先日、ある家電メーカーの生産技術部門の方とお話しする機会がありました。その中で、海外のメーカーや技術者とのコミュニケーションに起因したトラブルについて悩んでいるということが話題となりました。例えば、日本と同じ図面を使って発注しても、出来上がってくる部品の品質が期待したものとなっていない、というよう…
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技術者間の「異文化交流」がワイヤレス給電を強くする
2011年11月25日のEditor's Noteでは、米Massachusetts Institute of Technology(MIT)が2006年に発表した磁界共鳴型ワイヤレス給電技術について、MITの開発者に聞いた三つの問いとその回答を紹介しました。ただ、開発者のMarin Soljaci…
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もう「連続待受時間」じゃない
スペインのバルセロナで開催中の展示会「Mobile World Congress」では、例年と同様、各社がモバイル関連のさまざまな機器や部品の新製品を発表しています(Tech-On!のMobile World Congress報道特設サイト)。数ある発表の中で筆者が注目しているのが、スマートフォンの…
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ハリウッド的に正しいPHEVの音
映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を見た。主人公がドイツBMW社のPHEV(プラグインハイブリッド車)「i8」に乗って街の中を走りまわる。「ヒュンヒュン」とモータ音だかギヤ音だかを盛大に上げていた。あの音がハリウッドの音声さんの心の中にあるHEV(ハイブリッド車)の音なのだろ…
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連載「白色LEDの歩み」、始まっています
ちょうど1週間前からTech-On!において、「記事で振り返る白色LEDの歩み」という連載を始めました(連載記事などはこちら)。日経エレクトロニクス誌がここ10年の間に掲載してきた白色LED関連の主要記事を抜粋し、土日を除いて毎日紹介するという企画です。全12回の連載でして、今日は第5回を掲載しまし…
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ついに動き出した屋内測位
デパートや駅構内で、スマートフォンなどの地図上に自分の位置を表示できるサービスを、米Google社が2011年11月30日に始めました(関連記事)。「地図上に位置を表示できるサービスは、これまでもあったじゃないか」。確かに屋外ではそうでした。それが今回は、屋内にも広がったのです。
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直接原因と根本原因
「事故調査では、直接原因は特定しやすい。しかし、根本原因までは導き出せていないことが多い。直接原因を生み出した根本原因が分からないと、事故の再発を防げない」。医療機器開発のコンサルティングを手掛けるクオリス・イノーバ代表の木村浩実氏から最近伺ったことです。ところが、実際には直接原因と根本原因を区別…
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集めたセンサ・データは誰のもの?
日経エレクトロニクス2月20日号で「スマートフォンが迫る、カーナビ再定義」という記事を執筆しました。内容は想像される通り、スマートフォンでカーナビを実現できる時代に、従来型のカーナビはどのように生き残っていけばいいのか、について書いたものです。
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3シリーズで希薄燃焼をやめたBMW社
ドイツBMW社が小型車の刷新を進めています。既に日本市場でも「1シリーズ」に加えて「3シリーズ」も新型が登場し始めました。3シリーズでは、パラレル式のハイブリッド車を投入するのも大きな話題ですが、通常車のエンジンも大きく変わっています。