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図1
図1
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図2
図2
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図3
図3
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 いきなりですが問題です。
 図1のモデルをCAEツールで解析したところ、実験結果とCAEによる解析結果に図2のような差がありました。その原因はなんだと思いますか、どこをどう検討すればその原因が分かると思いますか―。

 原因とその追求方法が即座に思い付く方は、CAEツールをよく使いこなしていると言えるでしょう。

 ところで、私が記者になって製造業系ITツール周りを取材し始めた十数年前、「設計者向けCAE」という言葉が流行っていました。ちょうど3次元CADが普及し始め、そのデータの活用先の一つとしてCAEが注目されていたからです。当時は解析は解析専任者に任せるのが主流で、CAEツールを扱える設計者は限られていました。CAEツール自体、操作や設定が難しいものばかりでしたし、そもそもかつては形状モデルやメッシュの作成に非常に時間が掛かりました。

 しかし、設計の3次元データを流用することで、面倒な解析用の形状モデル作成が飛躍的に楽になりました。使う上でのハードルが一気に下がり、設計現場への普及が期待されたのです。設計者がCAEを使いこなせれば、実験を代替したり、解析部門とのやり取りを減らしたりして、開発期間の短縮が図れます。実際、ひところCADと親和性の高いツールが続々と登場し、CAEはもはや専門家がいなくても利用できるものになりました。今では設計現場にかなり根付いてきているようです。2009年に弊誌が実施した調査においても、CAEをどのように活用しているかを聞いたところ、「主に自分自身がCAEツールを操作・実行している」(44.3%)との回答が、「主に解析専任者などに依頼し、結果を受け取っている」(21.0%)との回答の2倍以上に上りました。今後の期待も高く、上記の調査では「CAEを活用する機会は増えると思うか」という問いに対して、過半数の52.2%が「大幅に増えていく」と回答しています。

 ただ、最近ある専門家の方にお話を伺った際には、一度は設計者向けCAEの活用を志向したがなかなか上手くいかず、結局再び専門家に任せる傾向も見られるとのことでした。CAEの利用局面は増えていますが、誰が使うかは2極化しているようです。確かにCAEツールの操作は簡単になりましたが、材料力学や流体力学などの物理現象およびCAEに対する正しい理解がないまま使うと、間違った結果が出力されてそれに振り回されてしまいかねません。便利だけれど危険も秘めている諸刃の剣です。

 どうも信用仕切れない、使い切れていないと感じている設計者の方も多いのではないでしょうか。というわけで、日経ものづくりでは、CAEを上手く使いこなすための勘所を学ぶための講座を企画いたしました(ものづくり塾のご案内)。CAEの基本的な使い方は知っているけれど、活用できていないという方が対象。実は、冒頭の解析と実験との差の原因がどこにあるのかを見極めるという問題は、その講座の演習の1つです。分からなかった方はぜひ。