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EU PVSECの展示会場
EU PVSECの展示会場
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 2011年9月上旬にドイツで開催された太陽電池の展示会「EU PVSEC」では、イスや机を設置した「休憩スペース」の数が例年よりも多いように感じました。ある出展者に聞くと、「倒産などによる急な出展取りやめが相次いで、休憩スペースが増えたのではないか」との答えが。そうです、今、太陽電池業界は需給バランスの崩壊による急激な価格下落によって、苦しい状況にあるのです。米国では、Solyndra社やEvergreen Solar社、SpectraWatt社が次々と破産しました。

 「いつか、こうした時代が来ると思っていたが、予想よりも早かった」(国内の太陽電池メーカー)――。ここまでの市場環境の急変は、業界関係者にとっても予想を超えたものだったようです。今回、特集記事の取材で国内外の太陽電池メーカーの方にお話を伺った際には、生産能力増強と低価格化を牽引する中国メーカーに対して「政府の強力な支援を受けているため、正面から挑んでも太刀打ちできない」といった、半ばあきらめの声も聞こえました。

 厳しい状況に置かれた太陽電池メーカーの様子を見ながら、2008年に国内メーカーに取材したときのことが頭に浮かびました。当時は「2010年にはトップになる」「新興メーカーの勢いは続かない」「LSIやFPDのようにはならない」といった強気のコメントが多かったのを思い出します。太陽電池業界は、3年間ですっかり変わってしまったのです。ある太陽電池メーカーの方は、「2008年まではウハウハだった」と振り返ります。

 変化した市場に対して、太陽電池メーカーは今、技術開発にこれまで以上に注力する姿勢を見せています。高効率化によって、価格競争の激しい領域から頭一つ抜け出し、価格を維持しようというのです。それは日本メーカーだけではありません。EU PVSECでは、中国メーカーを含めた世界の太陽電池メーカーが高効率化を推進する動きを見せました。技術開発競争が激しくなることで、次の3年間は太陽電池の技術が大きく進化する予感がします。特集「太陽電池サバイバル、使える技術は何でも使う」では、こうした技術開発の一端を紹介しています。