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Daimler社のブース。入り口付近に鎮座するのが燃料電池車「F125!」
Daimler社のブース。入り口付近に鎮座するのが燃料電池車「F125!」
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 1カ月ほど前になりますが、「 フランクフルト・モーターショー)を取材してきました。広い会場には89台に上った世界初披露車が展示され、多くの来場者で賑わっていました。主催者のドイツ自動車工業会によると、2011年9月15日の一般公開日初日から同25日の最終日までの累計入場者数は、92万8000人に到達。この数字は「リーマン・ショック」の影響が直撃した前回の2009年を10%上回るもので、自動車業界の回復ぶりを肌で感じる機会となりました。

 さまざまな車両の展示がある中、世界中で開発ブームが巻き起こっている電気自動車(EV)への関心は引き続き高いものでした。EVの新型車で特に目立ったのが、いわゆる「コミューターEV」でした。コミューターEVは、一~二人乗りで走行距離が数十km、最高速度が80km/h程度の短距離用途に限定した車両です。

 今回のフランクフルト・モーターショーでは、Audi社とOpel社、Volkswagen社のドイツ・メーカー3社が相次いでコミューターEVを発表しました( Tech-On! 関連記事1 同2)。この他、2011年5月に開催された「ジュネーブ・モーターショー」で価格を発表していたフランスRenault社の「TWIZY」は、フランクフルト・モーターショーの開催に合わせて予約販売を開始しました(価格は約7000ユーロから)。

 コミューターEVでは最近、日産自動車が「NISSAN New Mobility CONCEPT」の公道走行を可能とするための大臣認定を国土交通省から取得したことを発表したことが話題になりましたが、そのベース車両となっているのがRenault社のTWIZYです( Tech-On! 関連記事3)。

 “EVブーム”が続く一方で、欧州では新しい動きが起こり始めました。プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)と「レンジエクステンダーEV」の台頭です( Tech-On! 関連記事4同5 同6)。これまで欧州メーカーはPHEVやレンジエクステンダーEVの開発には消極的でしたが、今回のフランクフルト・モーターショーでは新型車の披露が相次ぎ、いよいよ開発に本腰を入れ始めました(詳細は日経エレクトロニクス2011年10月17日号解説「規制強化で始まる、欧州の電動車両」をご一読ください)。

 個人的には、今回のフランクフルト・モーターショーでEVやPHEVと並んで、燃料電池車(FCV)が大きな話題の一つになるのでは、と期待していました。しかし、残念ながら会場を歩き回ってもFCVの話題はわずか。

 唯一、ドイツDaimler社は大々的にアピールしていました。FCVは2015年ごろから大手自動車メーカーが車両を投入する意向を明らかにしていますが、Daimler社は「2014年に販売を開始する」(同社の担当者)と先行する意向です。今回のフランクフルト・モーターショーでは、FCVの研究車両「F125!」を開発( Tech-On! 関連記事7)。同社ブースの入り口付近の一番目立つ場所に展示しており、同社の意気込みを強く感じました。

 FCVの新型車が続々と披露されるのはいつになるのでしょうか。EVを強く推す日産自動車ですら、2011年10月上旬に開催した「先進技術説明&試乗会」で新型の燃料電池セルを披露しています( Tech-On! 関連記事8)。各社が開発を進めているのは間違いありませんので、まずは2011年12月3日から一般公開が始まる「東京モーターショー」に期待したいと思います。