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 2011年9月下旬から1カ月ほどの間、スマートフォン関連の大きな発表が相次ぎました。KDDI、ソフトバンクモバイル、NTTドコモの国内大手携帯電話事業者3社が冬・春モデルを発表し、米Apple社は「iPhone」の新型機、米Google社は「Android」の新版を発表しました。こうした発表を受けて、筆者の交友範囲でも、買い替えや新規購入を検討している人が増えているように感じます。2012年前半にかけての国内スマートフォン市場は、いろいろな部分で変化が起きそうです。

 大きな変化の一つは、携帯電話事業者がモバイルWiMAXやLTEといった次世代移動通信技術に対応するスマートフォンを主力製品に位置付けたことです。KDDIはモバイルWiMAXに対応するスマートフォンを4機種(Tech-On!の関連記事)、NTTドコモはLTEに対応するスマートフォンを4機種(同関連記事)、それぞれ発表しました。両社とも、期間限定で利用料金を割り引くキャンペーンなどによって、次世代移動通信技術への移行を促そうとしています。

 携帯電話サービスとは異なる周波数帯域を使うUQコミュニケーションズのモバイルWiMAX網や、単位周波数当たりの収容能力が3G網に比べて高いLTE網にトラフィックを逃がす狙いがそれぞれあるようです。ソフトバンクモバイルが、1.5GHz帯で始めたDC-HSDPAを使うデータ通信サービス「ULTRA SPEED」に対応するスマートフォンを新たに投入するのも同じ狙いでしょう。

 各社は公衆無線LANアクセス・ポイントの無料化などの施策も打ち出していますが、それだけでは急増するトラフィックに対応しきれない恐れがあります。「高速」を売り文句に、相対的にユーザーが少ない周波数帯域にトラフィックを移動させようとしているわけです。それほど、既存の3G網がひっ迫してきているのです。

 携帯電話事業者は今後、自社が利用する複数の周波数帯域(マルチバンド)、複数の無線通信規格(マルチモード)にうまくトラフィックを分散させられる端末を求めるようになるでしょう。とはいえ、その端末がコンピュータとしては古い世代のものであっては、ユーザーにそっぽを向かれてしまいます。その国で使っている周波数帯域や通信規格に柔軟に対応しながら、コンピュータとして最新のものを提供できる体制を整えることが、端末メーカーに求められそうです。

 これと同様のことが、世界各国で起こるはずです。韓国Samsung Electronics社がスマートフォン市場のシェアでApple社と激しい首位争いを繰り広げているのは、既にこうした体制を構築できているからなのかもしれません。