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 フォックスコンはここで、2~3年後をメドにiPhone用キーパーツの大半を生産することを計画。現地に11万人分の就業機会を創出するほか、生産高は2012年の160億元から13年には450億元まで拡大する見込みだという。

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iPhone 4S中国販売初日となった1月13日午後、上海南京西路のApple Storeには入り口に「在庫は無くなりました。次の入荷をお待ちください」と書かれたポスターが掲示されていた

 フォックスコンの進出を報じた記事を、太行日報は「フォックスコンが晋城を変える!」という一文で締めくくっている。フォックスコンが1000億元の投資を完了する2015年には、晋城のGDPは2010年の730億元から1500億元へと倍増する見込みだというから、受け入れ側が期待するのも分かる。

 ところで、晋城はフォックスコンのトップである郭台銘董事長の父方の一族の出身地だ。晋城出身で国民党の警察官だった郭氏の父と山東省出身の母は1948年に台湾に移住し、50年に郭氏が生まれている。

 山西省といってもイメージはなかなか湧かないだろうが、首都北京まで直線距離にして約400キロ、華北地方に属する人口3500万人余りの内陸の省だ。海には面していないが、河北省と接する東部や陝西省と接する西部には黄河が流れている。主要産業は鉄鋼生産と、石炭を主力とするエネルギー産業。中国三大霊山の一つで仏教の聖地としても名高い五台山があることでも有名だ。

 私事で恐縮だが、筆者は1988年から89年の1年余りを山西省の省都・太原で過ごした。沿海地区に比べかなり貧しい省だというのが自他共に認める当時の評価だった。大学生の就職先を国が決めるいわゆる「分配」がまだそのころは残っていたのだが、全国の大学生の間では新疆ウイグル自治区、西蔵(チベット)自治区、甘粛省といずれも内陸のいわば辺境にある省・自治区に次いで、就職したくない省のワースト4位といわれた。その山西省が、世界で今、最も高い人気と注目を誇るといっても過言ではないiPhoneの生産基地の一翼を担うというのだから、まさに隔世の感がある。