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LOVE THE LIGHT, LOVE THE LIFE 時空を超える光を創る、石井 幹子著、1,785円(税込)、単行本、224ページ、東京新聞、2011年11月
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 照明デザインを生業にして40年がたちます。そんな私にとって、電気のエネルギーは仕事に欠かせないもの。石油ショックなどのエネルギー危機に見舞われるたびに、“まずは照明を消そう”という世の風潮に悔しい思いをしてきました。

 そこで、自らエネルギーを創り、照明の電源に使いたいという思いをずっと抱いてきた。“地産地消”ならぬ“自産自消”の発想です。太陽光発電とLEDを組み合わせた照明に1980年代から取り組んできたのは、そんな思いからでした。

 2011年3月の震災後に再び街から明かりが消えた時、今こそ自産自消のエネルギーで街に光を取り戻したいと考えました。まずは震災から1カ月後に、太陽光発電パネルと8000個の白色LEDを使って、東京タワーに「GANBARO NIPPON」という光のメッセージを点灯しました。この太陽光発電パネルは三菱化学製で、シート状で軽く、折り曲げられる優れモノでした。

石井 幹子氏
いしい・もとこ。石井幹子デザイン事務所 代表取締役。東京芸術大学卒業後、海外の照明設計事務所を経て、都市/建築照明からライト・パフォーマンスまでを手掛ける世界的照明デザイナーとして活躍する(写真:石井幹子デザイン事務所)
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 2011年12月に東京・丸の内で催された光の祭典「光都東京・LIGHTOPIA2011」には、アドバイザーとして参加しました。この時も、照明用電源はすべてグリーン電力で賄いました。例えば、三菱自動車の電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を電源に使わせてもらったんです。同社の担当者からは、「電気自動車にこんな使い道があるとは意外でした」と感謝されましたよ。

 震災後の日本の未来について、私は悲観していません。必ず立ち上がれると信じています。何よりも、エレクトロニクスなどの先端技術の領域で、日本には開花を待つ“つぼみ”がたくさんある。仕事柄、技術者の方々とご一緒する機会も多いですが、モノづくりを純粋に愛するエンジニアが日本ほど多い国は他にないと感じます。こうした日本人の特質が、危機を乗り越える力になるでしょう。

 私は60歳をすぎてようやく、本当にやりたい仕事が見えてきました。この先も、“光の可能性”を信じて未知の扉を開いていきたいと思います。その時、一緒に扉を開けてくれる仲間が欲しい。ですから技術者の皆さんには、“自産自消のエネルギーで一緒に未来を創りましょう”と呼び掛けたいのです。

 加えて、アジア各国との連携を何よりも大切にしたい。“LOVE THE LIGHT”“LOVE THE LIFE”、そして“LOVE ASIA”が本書に込めた思いです。(談、聞き手は大下淳一)

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